「口臭とは?」

  • 2020.10.25 Sunday
  • 11:50

新し生活様式の中で、マスクをつけて外出することが当たり前となりましたが、一方でマスクをつけていると自分の呼気を感じやすくなるせいか、以前より「口臭が気になる」という話を耳ぬするようになりました。今日は口臭についてお話ししたいと思います。

 

 

 

口臭とは、「呼吸や会話をした時に口から出てくる息が他人にとって不快に感じられるもの」と定義されています。

原因を一つに特定できることはほとんど少なく、いくつかの原因が重なり合って口臭が発生する場合がほとんどです。

 

口臭の原因となる主な臭いの物質は、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの揮発性硫黄化合物です。

揮発性硫黄化合物は剥がれ落ちた粘膜の角化上皮、血液成分などのタンパク質を口腔内細菌が分解して生成されます。発生する臭いの強さは細菌の種類や量、口腔内の清掃状態、唾液量などによって異なります。揮発性硫黄化合物の量を評価する口臭測定機器はありますがすべてのガスの成分を精密に検出できる機器は現在のところありません。

 

揮発性硫黄化合物

硫化水素…卵が腐ったようなにおい

メチルメルカプタン…魚や野菜が腐ったようなにおい

ジメチルサルファイド…生ゴミのようなにおい

 

 

 

口臭の種類

1 生理的口臭(起床時、空腹時、疲労時など)

2 飲食物、嗜好品による口臭(ネギ、ニラ、ニンニク、アルコール、タバコなど)

3 病的要因による口臭(歯科疾患、耳鼻咽喉科系疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、糖尿病など)

4 心因性の口臭

1 生理的口臭

生理的口臭は主に舌後方部に付着した舌苔における細菌の腐食作用により発生します。生理的口臭は、通常起床直後に最も高い値を示します。睡眠時は唾液分泌が減少し細菌が増殖しやすくなり不潔になるためです。しかし朝食をとりブラッシングを行うと口臭は弱くなります。日中は食前に口臭の値が高くなり、その後の食事や口腔清掃により口臭の強さは低下します。

 

 

2 飲食物、嗜好品による口臭

一過性のものであるため治療の対象にはなりません。

 

 

3 病的要因による口臭

病的原因による口臭は歯科疾患や医科疾患に起因するものです。病的原因による口臭の90%以上は口腔内疾患によるものといわれています。

 

 

4 心因性の口臭

健康状態が良好で、歯科疾患がなく、口臭測定で客観的な口臭は認められないのに、自分には口臭があると強く確信します。口臭を心配して対人恐怖症や社会的不対応を生じて引きこもったり、通常の社会生活が送れなくなる場合もあります。

 

 

 

 

口臭の診断と治療

1 生理的口臭

生理的口臭では、揮発性硫黄化合物の中で硫化水素の量が最も多く検出されます。主な発生原因は舌後方部の舌苔付着のため、舌をよく観察し評価します。(面積、厚さ、色)口臭軽減には舌清掃を行うことが効果的です。

 

 

2 口腔由来の病的口臭

歯周病、多量の舌苔付着、口腔乾燥症、う蝕、などが原因となりますが、歯周病による口臭がもっとも多いといわれています。

また歯周病が原因で発生する口臭では揮発性硫黄化合物の中でメチルメルカプタンがもっとも多く検出されます。口腔由来の病的口臭では、口腔清掃や歯科治療を行うと明らかに数値が減少します。

 

 

3 全身由来の口臭

揮発性硫黄化合物が基準値以下になっても、官能検査(嗅覚による検査)でにおいが認められる場合は医科疾患が疑われます。口臭発生の原因として、「副鼻腔炎、慢性鼻炎、慢性扁桃炎などの耳鼻科系疾患」が多いです。糖尿病ではつんとする甘いにおいのアセトン臭がすることがあります。医科での治療が必要となります。

 

 

 

口臭が気になるようでしたら、まずは歯科医院へ行ってみましょう。ご参考までにどうぞ。

「インフルエンザワクチン予防接種」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2020.10.18 Sunday
  • 21:28

今年もインフルエンザワクチンの予防接種@厚生労働省が開始されましたが、皆さんもワクチン接種の予定はありますでしょうか。

当院では毎年スタッフ全員インフルエンザワクチンの接種が必須となっております。今年は自治体によって接種できる時期が決まっているところもあるようですが、私は10月1日に接種完了しております。

 

今年は新型コロナウイルス感染症対策の影響か、全国的にまだインフルエンザの流行は見られません。ですが、抗体ができるまでワクチン接種から2週間ほどかかりますので、できるだけ早めの接種をお勧めいたします。

 

今年はこの4株でワクチンが製造されているようです。

 

インフルエンザは世界的に流行を続けている呼吸器感染症です。北半球では例年、冬を中心に流行します。インフルエンザウイルスは感染性が強く多くの健常者が感染します。発熱、頭痛、腹痛、筋痛、上気道炎、全身倦怠感などの風邪症状を起こします。通常は発症から1週間程度で自然回復しますが、高齢者では肺炎など重篤な合併症を起こす場合がしばしばあります。小児では高熱によりインフルエンザ脳症、脳炎を起こす可能性があります。また、予想外な行動を起こすことがあるので必ず側に保護者が付き添ってあげることが必要です。

 

感染経路は飛沫感染の可能性が高いといわれていますが、接触感染・空気感染の可能性も否定されていないので、流行時には人混みに行かないようにするなど、個人で考えられる予防策をお勧めします。

 

コロナ禍で突然発熱した場合、どうするべきか悩む方も多いと思います。事前にお住いの自治体の役所や保健所のホームページを確認しておきましょう。

 

「高水準消毒薬」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2020.10.14 Wednesday
  • 14:56

高水準消毒薬はタンパク質変性作用が強力であり、殺菌力も強いためあらゆる真菌、芽胞などを含むあらゆる微生物、ウイルスを殺滅できる、化学滅菌剤と呼ばれることもあります。診療室、病室の床、壁、廊下および医療機器、器具類に使用して安定した効果が得られます。刺激性が強いので人体には使用しません。

 

 

<アルデヒド系>

グルタラールの特徴

医療器具専用の高水準消毒薬です。セミクリティカル器具、特に軟性内視鏡の消毒に使用されます。また、歯科領域では印象材の消毒に使用されています。グルタラールはそのままでは酸性であるため、緩衝材を入れてアルカリ性にし、活性化してから使用します。アルカリ性グルタラールは芽胞を含むすべての微生物に有効で化学的滅菌剤と呼ばれます。しかし、大量の芽胞を殺滅するには10時間の接触が必要なため滅菌に用いることはほとんどありません。金属、ゴム、プラスチックに対して腐食性がなく有機物による効力低下が小さい。しかし取り扱い時、薬液の接触や蒸気吸入による毒性の問題があり使用時には注意が必要です。手術室の環境への適用には毒性の問題があることから適用が削除されました。

グルタラール蒸気は、眼、咽頭、鼻を刺激します。また接触による皮膚炎を起こします。

 

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フタラールの特徴

芽胞を含むすべての微生物に有効なアルデヒド系消毒薬です。抗酸菌、ウイルスに対してグルタラールよりも短時間で有効ですが、芽胞を減少させるにはグルタラールよりも長時間必要であり、殺滅には32時間の接触が必要です。

軟性内視鏡などの医療機器の消毒薬として0.55%製剤があります。粘膜刺激性はグルタラールより少ないといわれていますが、取り扱いには要注意です。

 

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過酢酸の特徴

芽胞を含むすべての微生物に有効な消毒薬です。0.2%液はグルタラールより短時間で芽胞を減少させ、50〜56℃であれば12分で殺滅します。過酢酸は環境に対してがいが少なく、有機物があっても不活性化が少なく、低温においても芽胞に対して効果があります。殺菌力はpHに依存しpHが低い方が殺菌力を発揮します。しかし、銅、鉄、真鍮、亜鉛メッキなど腐食しやすいので注意が必要です。短所として刺激臭があり、呼吸器粘膜、皮膚の保護が必要です。

 

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「中水準消毒薬」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2020.10.04 Sunday
  • 12:44

中水準消毒薬は栄養型細菌、真菌、結核菌やその他ほとんどの細菌やウイルスに有効な消毒薬です。しかし芽胞には効果がありません。ほとんどが人体、器具、環境に応用ができ消毒対象物の範囲が広い消毒薬です。

 

<アルコール系>

エタノールの特徴

生体、非生体のどちらにも使用できる消毒薬です。抗菌スペクトルが広く、芽胞を除くほとんどすべての微生物に有効です。使用濃度としては60〜90w/w%が適当ですが70w/w%において一般細菌に対して有効性が高い。また、結核菌やエンベロープを有するウイルスに対して50vol%程度でも効果があります。揮発性が高いため乾きが早く使用しやすいのが特徴です。またその他のアルコール系消毒薬に比べて毒性が低いです。しかし、価額に酒税相当の原価が上乗せされるため経済的ではありません。古くから用いられている消毒薬の1つで総合的にみて有用性の高い消毒薬といえます。またベンザルコニウム塩化物やクロルヘキシジンを添加した速乾性手指消毒があります。

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イソプロパノールの特徴

生体、非生体のどちらにも使用できる消毒薬です。抗菌スペクトルが広く、芽胞を除くほとんどすべての微生物に有効です。使用濃度としては50〜70vol%が一般的ですが50vol%より70vol%の方が一般細菌に対して有効性が高い。低濃度においては同濃度のエタノールよりも効果が強い。手術部位は適用範囲に含まれません。エタノールより脱脂作用が強く、特異な臭気がある。酒税相当が課されたエタノールより経済的です。揮発性が高いため乾きが早く使用しやすいのが特徴です。

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<ヨードホール、ヨード系>

ポピドンヨードの特徴

広い抗微生物スペクトルをもち、生体への刺激性が低く、比較的副作用も少ない優れた生体消毒薬です。手術部位の皮膚や創傷部位、口腔、膣などの粘膜にも適応が可能です。HIVウイルスやHBVウイルスにも有効です。皮膚に適用して皮膜を形成させた場合、持続的な殺菌効果を発揮します。しかし比較的短時間のうちに揮発し失活します。有機物の存在によって効力が大きく低下します。臨床では7.5〜10%の製剤が広く使用されています。

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ヨードチンキの特徴

ヨードチンキはヨウ素にヨウ化カリウムを加えて可溶化しエタノール液とした製剤です。5〜10倍に希釈して使用します。ヨードチンキは速効的な殺菌力と広い抗菌スペクトルを持ち、さらに使用後皮膚にヨウ素の皮膜を形成して持続効果をもたらします。ヨードチンいは健常皮膚のほか創傷、潰瘍、口腔粘膜にも使用されます。刺激性があるため皮膚炎の原因にもなります。ヨードチンキよりも刺激性の少ない口腔内専用のヨウ素製剤としてヨードグリセリンがあります。

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<次亜塩素酸ナトリウム>

低濃度で細菌に対して速効的な殺菌力を発揮し、HIVウイルス、HBVウイルスなそウイルスにも効力があります。1000ppm以上の高濃度であれば結核菌を殺菌することもできます。有機物の存在があると不活化するため血液などを消毒する場合は5000〜10000ppmの濃度で使用することが必要です。

比較的短時間で成分が揮発し、残留性がほとんどないので安全な消毒薬です。しかし、金属腐食性があるため金属製品への使用は避けます。非生体消毒薬としても有効な消毒薬ですが、腐食や塩素ガスの発生に注意して使用する必要があります。

手指や皮膚へは手荒れが起こるため、生体適用は適切ではありません。安定性が良くないので保存方法に注意が必要です。冷所保存が推奨されます。

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<フェノール系>

クレゾールの特徴

クレゾールは水に溶けにくいため石鹸に可溶化してクレゾール石ケン液として使用します。同じく中水準消毒薬のフェノールより低毒性でかつ低濃度で微生物を殺滅することができます。そのため公衆衛生で広く使用されてきました。逆性石ケンなどと使用した場合、有機物による不活化性が少ないという長所があります。しかし、特異な臭気、高濃度による化学熱傷を生じることがあるため環境消毒にはクレゾール 石ケンより、逆性石鹸や両面界面活性剤が使用されるようになってきました。人体適用も認められていますが、生体消毒薬としてクレゾール を選択することが適切なことはほとんどありません。

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フェノールの特徴

1865年にLister先生が初めて無菌的手術を成功させた時に使用した消毒薬です。石炭酸ともいいます。フェノールは古くから効力の確認されている消毒薬であるため消毒薬評価上の指標(フェノール係数)として重要な意味を持ちます。フェノールは中水準消毒薬に分類されますがクレゾールの方が低毒性、かつ低濃度で微生物を殺滅することができるため、フェノールはあまり使用されていません。人体適用も認められていますすが、生体消毒薬としてフェノールを使用することが適切な場合はほとんどありません。

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ご参考までにどうぞ。

 

 

 

 

「感染の標準予防策」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2020.09.27 Sunday
  • 08:06

感染症の発生・伝播には

1原因微生物の存在

2感受性を持つ宿主の存在

3感染経路

 

この3つの条件が必要条件となります。感染を制御するためにはこの条件を1つ以上ブロックすることが必要となります。しかし、全ての原因微生物を同定することは不可能です。その中で医療施設では全ての患者を感染に危険から守る必要があり、同時に医療従事者を守る必要があります。

 

患者が保有している可能性のある病原体は未同定として、全ての目視できる湿性の液体、体液、排泄物などは感染の可能性があるものとして取り扱う考え方を標準予防策 standard precautions といいます。つまり血液、体液、排泄物などに触れる可能性があるときは、手袋を着用し、飛散する可能性があるときはさらにプラスチックエプロン、マスク、ゴーグルを着用します。感染性廃棄物はバイオハザードマースを使用し分別、運搬、保管、処理を適切に行います。使用した針はリキャップせずに直接廃棄します。

 

 

特に歯科に関しては、2003年に Guidelines for Infection Control in Dental Health-Care Settings 2003として米国で刊行され、その中で歯科医療における感染制御のガイドラインが提示されました。

1歯科医療従事者への教育と防護

2血液由来病原体の伝播の予防

3手指衛生

4身体防御装置

5接触性皮膚炎とラテックス過敏症

6治療器具の滅菌と消毒

7感染制御の視点に立った医療環境

8歯科用ユニットにの給水系汚染

9特別に配慮すべき事項(切削器具およびX線機器、非経口投薬、口腔外科処置、歯科技工など)

 

医療従事者あるいは微生物を取り扱う研究者はその危険性を十分認識する必要があります。微生物を含めて生物がヒトの健康や生命に危害を及ぼすことをバイオハザード biohazard とよび、そのような危害に対して安全を確保するために感染防御対策をバイオセイフティー biosafetyといいます。特に日常の臨床において医療従事者は微生物と接する機会が多く、消毒や滅菌に関する知識や実践が不可欠なものとなります。

 

滅菌とは全ての微生物を完全に死滅、あるいは除去して無菌状態を作ることで確率的な概念として運用されています。一方消毒は生存する微生物の数を減らして感染力を可能な限り低下、消滅させることをいいます。滅菌には目標となる数値の概念がありますが、消毒にはそのような確率した概念はありません。芽胞を持つ細菌は消毒では致死効果を示さない場合があるので十分な注意を払う必要があります。

 

ご参考までにどうぞ

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