「抗菌薬の適正使用を考える」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2018.02.08 Thursday
  • 21:15

AMR臨床リファレンスセンター

抗菌薬の適正使用とは何か…
1 薬剤耐性菌を増やさない
2 個人の健康を守る、健康を損なわない(例えば、抗菌薬で腸の細菌叢も死滅することによる腸内細菌の乱れが全身疾患の原因になる)

人間の防御機構とは…
人間の最大の防衛機構は皮膚である。常在菌も存在する。皮膚のバリアが低い乳児、熱傷による火傷、皮膚疾患を持っている人、術後、カテーテルを入れている患者は感染のリスクが高い。

リスクとは…
リスクには両面性がある。A or Bどちらを選んでもリスクはゼロにはならない。どっちのリスクがマシなのかを考える。

抗菌薬の歴史とは…
抗菌薬が発見されたのは100年ちょっと前。ペニシリンはまだ100年経っていません。第二次世界大戦後が抗菌薬時代といわれ、患者が抗菌薬でみるみる治っていった。患者から排出した尿を精製してまた抗菌薬を作っていた。それほど貴重なものであった。しかし、1950年代からペニシリン耐性菌の出現が始まる。日本ではドイツから抗菌薬を輸入していたが国内で製造するようになった。国内で製造するようになったため大量生産が可能となり、軽傷の患者にも抗菌薬を処方するようになった。いま症状がなくても予防的に処方するようになった。しかし、 念のための抗菌薬の処方は無いと考えた方がいい。ヘルシンキ宣言にもあるように、患者さんには利益だけをリスクは与えてはならないとあるように、念のための抗菌薬の処方はリスクの方が高くなると考えられている。

歯科治療における抗菌薬とは…
歯科での外科処置後の抗菌薬の投与は全く効果がないとされている。利益はゼロといえる。ただし、心臓に疾患のある人には術前の抗菌薬の処方は効果がある。術前に抗菌薬時代を飲むことにより、血中の濃度を高め、予防が可能になる。口腔内は細菌だらけである。歯磨きで出血することにより、10%くらいは菌血症になっている。しかし、私たち体には免疫細胞があるので健康な人であれば10分もあれば死滅する。このように歯磨きで健康な人は病気にはならない。アメリカでは心内膜炎のリスクが高い人への術前投与、イギリスでは弁逆流の患者への術前投与も推奨している。

セファロスポリンについて…
セフェム系抗菌薬は開発した時期によって第1世代から第5世代に分類される。この中で第3世代のフロモックス®はほとんど腸管で吸収されないことがわかったので処方する意味がないとされている。血中濃度が保てないので効果がない。第1世代のセファレキシン等は90%腸管で吸収される。口腔内細菌に関してはペニシリンでほとんど死滅する。また、ペニシリン、セフェム系どちらも使うことができない場合は他の抗菌薬を選択する。マクロライド系抗菌薬はマイコプラズマ肺炎球菌にたいして耐性を持ってしまった。(また、マクロライドの使用により心臓疾患の死亡率が増加したという研究データがある。)抗菌薬の使用をやめると耐性菌が減少する可能性が大いにある。今の時期に抗菌薬の不適切な使用を控えることで、私たちの子供や孫の時代にも細菌と戦える抗菌薬を残しておくことができるかもしれない。2020年の東京オリンピックでは、外国人観光客の増加によりリスクはさらに高くなると予想される。厚労省からは抗菌薬のキノロン系、マクロライド系、セフェム系の使用量を今の半分にするようにと通達がでている。つまり、いま処方されていり、50%は抗菌薬が正しく使われていないといえる。

とはいえ、人間は一人一人違う。全く同じ人間はいない。エビデンスや製薬メーカーの添付文書が全てではない。目の前にいる患者をしっかり診て、その人に1番いい医療を提供できる医療人にならなくてはならない。

それは歯科衛生士も同じである。エビデンスは大切だが、それが全てではない。患者さんの口腔内の環境はそれぞれ。全身状態、生きているバックグラウンドもみんな違う。また1人の人間も少しずつ日々変化していく。この人間の小さな変化を見逃さず、目の前の患者さんにとって1番いい医療の提供し、これからおこるリスクを予想し、また早期発見できなければ歯科衛生士として全く意味がない。正直、私は毎日自分の力量の乏しさに悔しいと思うことばかりだ。しかし泣き言を言い始めたらキリがない。だからまた明日から頑張ろう。患者さんのために一生懸命頑張ります。

「無痛分娩 硬膜外鎮痛法」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2018.02.04 Sunday
  • 00:40

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どうしてお産は痛いのか。

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子宮が収縮したり、子宮出口や膣が引き伸ばされたりすると、その刺激は神経を介して背骨の脊髄に伝わります。脊髄に伝わった痛みは脳へと送られ「脳で痛い」と感じます。痛みを感じるとストレスホルモンが放出され、血管系では交感神経が刺激されます。肺では酸素が増加し、呼吸数が増加します。胃腸は機能が停滞します。

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分娩は第?期〜第?期に分けられます。

初産の妊婦さんの場合は第?期10〜12時間、第?期2〜3時間ほどかかるといわれています。第?期の始めの方は中くらいの痛み、第?期の終わりになるとかなり強い痛みを感じます。第?期は10〜20分ほどで痛みは第?期、第?期に比べて強くないとされています。

1853年、イギリスのヴィクトリア女王がクロロホルムを使用して無痛分娩に成功しました。これをきっかけにイギリスで正式に無痛分娩が認められました。

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硬膜外鎮痛法は背中から刺し、硬膜外針が硬膜外腔に入った後、針の中を通じて硬膜外腔にカテーテル、細い管を入れます。管が入ったら針を抜き、薬の注入が開始されます。お腹の周りに腹巻をしているような感覚になります。脊髄くも膜下腔まで針が到達すればさらに麻酔を効かせることができます。どのタイミングで麻酔を始めるかは、アメリカのガイドラインで妊婦さんのリクエストに応えるのが一番いいとされています。

分娩時の麻酔がなぜ難しいのか。それは、母体と胎児の二つの命を預かるからです。母体は妊娠に伴い常に変化しますし、血液にのって胎児へ、母と子の心拍数が違うなど理由は多々あります。産科ではチーム医療が不可欠です。

現在、無痛分娩はアメリカでは80〜90%に対し、日本ではまだ5%以下の普及率です。

ご参考までにどうぞ ^^

「くも膜下出血 SAH(subarachnoid hemorrhage)」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2018.01.28 Sunday
  • 13:36

脳血管障害(脳卒中)の分類

虚血性「脳梗塞」(脳の動脈が詰まり血行が途絶する)

出血性「脳内出血」(脳の細い動脈が破裂し、脳実質内に出血する。被殻出血が最も多い。)

   「くも膜下出血」(脳動脈瘤の破裂などにより、くも膜下腔に出血する)

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くも膜は脳と脊髄を覆う3層構造の髄膜のうち、外から外膜、くも膜、軟膜とある。くも膜下腔はくも膜と軟膜の間の広い空間で、脳脊髄液で満たされています。くも膜下出血は何らかの原因によりくも膜下腔に存在する脳表面の動脈が破綻することにより生じます。くも膜下出血の原因として最も多いのは、脳動脈瘤の破裂によるもので、80%以上を占めます。他には脳動脈奇形、外傷などがあります。

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破裂脳動脈瘤の好発部位として

前交通動脈(32.9%)内頚動脈ー後交通動脈動脈分岐部(29%)中大脳動脈分岐部(21,4%)の3つが上げられます。

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男性は50歳代がピークで、それ以降は発症数が減少する。女性は50〜70歳代で発症数が増大し、70歳後半がピークになります。男女比は男:女=1:2で女性に多いです。男性より女性の方が高齢になってからくも膜下出血を発症しやすい理由として閉経後のエストロゲンの減少が関与している可能性が高いと言われています。エストロゲンには脳動脈の瘤化を防ぐ作用があると言われ、閉経期後のエストロゲン減少に伴い脳動脈瘤が新たに発生したり、動脈瘤が増大、破裂しやすいと考えられています。

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脳動脈瘤の破裂により、突然の激しい頭痛、意識障害、悪心、嘔吐をきたします。典型的な症状は今まで経験したことのない突然の激しい頭痛です。頭部CTでヒトデ型高吸収域などがみられる。CTで出血が確認できない場合、MRI検査。CT、MRIでも出血が確認できない場合は髄液検査などを行う。

 

くも膜下出血の三大合併症

1 再出血(発症後24時間以内が多い、死亡率高い)

2 脳血管攣縮(72時間後〜2週間後)

3 正常圧水頭症(数週、数ヶ月後に認知症、尿失禁、歩行障害など)

 

ご参考までにどうぞ ^^

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