「梅毒感染症 ハッチンソン三徴候」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2018.02.25 Sunday
  • 09:02

梅毒はTreponema pallidum subspecies pallidum(T.p.)感染症です。

(梅毒@国立感染症研究所から引用)

主に性行為または類似の行為により感染する性感染症の代表的疾患です。一般に皮膚や粘膜の小さな傷からT.p.が侵入することによって感染し、数時間後に血行性にに全身に散布され、様々な症状を引き起こす全身性の慢性感染症です。胎児が母体内で胎盤を通して感染したものを先天梅毒とよび、それ以外を後天梅毒とよびます。皮膚、粘膜の発疹や臓器梅毒の症状を呈する顕症梅毒と、症状は認められないが梅毒血清反応が陽性である無症候梅毒とに分けられます。感染症法では梅毒は五類感染症に分類され、医師は前例を都道府県知事に7日以内に届け出ることになっています。

 

顕症梅毒

第1期梅毒

観戦後、数時間で血行性に中枢など全身に散布されるが、約3週間経過すると、T.p.の侵入部位である感染局所に小豆大から示指頭大までの軟骨ようの硬度を持つ硬結が生じてきます。これを初期硬結とよびます。やがて初期硬結は周囲の浸潤が強くなって硬く盛り上がり、中心に潰瘍を形成して硬性下疳となります。初期硬結、硬性下疳は一般に疼痛などの自覚症状は無く、単発であることも多いが、多発することも稀ではない。

1期疹は放置しておいても2〜3週間で消退し約3ヶ月後に2期疹が出現するまでは無症状となります。HIV感染者では1期疹が2期疹出現まで持続します。

 

第2期梅毒

全身の皮膚・粘膜の発疹や臓器梅毒の症状が見られるものを第2期梅毒といいます。第2期でみられる発疹は多彩です。出現頻度は丘疹性梅毒疹、梅毒性乾癬が高い。第2期では3ヶ月〜3年にわたり発疹など多彩な臨床像を示します。そのあと自然に消退して無症候梅毒となりますが再発を繰り返しながら第3期、第4期に移行していくこともあります。HIV感染者では神経梅毒を発症しやすいので髄液検査が必要です。

 

第3期梅毒

感染後、3年以上を経過すると、結節性梅毒疹や皮下組織にゴム腫を生じてくることがあります。第3期梅毒は現在ではほとんどみられません。

 

第4期梅毒

梅毒による大動脈炎、大動脈瘤あるいは麻痺などの症状が現れることがあリマス。第4期梅毒も現在ではほとんどみられません。

 

無症候梅毒

臨床症状は認められないが、梅毒血清反応が陽性のものをいいます。米国CDCでは感染1年以内の無症状期を早期潜伏期、それ以降のものを晩期潜伏期としています。

 

 

神経梅毒

中枢神経にT.p.が感染しておこる疾患の総称です。感染後数時間で、T.p.は血行で髄液に運ばれ、脳及び脊髄の髄膜腔、血管に沿って広がり、さらに実質を侵していきます。第1期梅毒、第2期梅毒で生じる早期神経梅毒、それ以降でおこる晩期神経梅毒に分類されます。さらに症候性神経梅毒、無症候性神経梅毒に分類されます。症候性神経梅毒は感染1年以内の早期にみられる髄膜型、10年後に生じる髄膜血管型、20年以降にみられる実質型に分類されます。晩期神経梅毒は抗菌薬の発達した現在、稀です。

髄膜型では頭痛、悪心、嘔吐、後部硬直、脳神経病変、痙攣、意識障害、ブドウ膜炎、虹彩炎、難聴などがみられます。髄膜血管方では中大脳動脈の損傷による脳卒中症候群で頭痛、回転性めまい、不眠症、精神異常を伴います。実質型は人格変化、知能低下、痙攣などが特徴的な症状です。1906年アルツハイマー先生がアルツハイマー病の原因因子であるアミロイドβタンパク質を発見するまでは、認知症は梅毒性と考えられていました。

 

先天梅毒

梅毒に罹患している母体から出生した乳児で、出生時に肝脾腫、紫斑、黄疸、低体重児などの胎内感染を示す臨床症状、または梅毒疹骨軟骨炎など早期先天梅毒の症例。また、学童期以降にハッチソン三徴候(実質性角膜炎、内耳性難聴、ハッチンソン歯)、フルニエ歯などの晩期先天梅毒の症状を呈する症例があります。

 

T.p.が母体から胎児の歯胚に感染して歯の形成不全が生じます。

ハッチンソン歯

上顎中切歯が樽状の歯冠を呈し切縁部は半月状に欠損します。上顎側切歯や下顎切歯にも見られる場合があります。

フルニエ歯

 

 

HIVに併発した梅毒

国内ではHIV感染が右肩あがりに増加しています。梅毒診断をした際はHIV感染の有無を検査することが推奨されます。

 

梅毒の治療

梅毒の治療には殺菌的に働き、耐性の報告のないペニシリンを第一に選択します。バイシリンG®投与が基本となります。合成ペニシリンではなく天然であり、他のペニシリンより有効であるといわれています。ペニシリンアレルギーの場合は、塩酸ミノサイクリン、ドキシサイクリン、妊婦の場合にはアセチルスピラマイシンが推奨されています。投与期間は第1期では2〜4週間、第2期では4〜8週間、第3期以降では8〜12週間を必要とします。神経梅毒、先天梅毒の場合はベンジルペニシリンカリウムの点滴静注を行います。治療数時間後でT.p.が破壊されるため39度前後の発熱、全身倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛、発疹の増悪が見られることがあります。妊婦はこの反応で流産、早産になることがあります。

梅毒の治療効果はカルギオリピンを抗原とする検査の抗体価とよく相関するので、治療を行なった後は一般に臨床症状の持続や再発がないこと、およびカルギオリピンを抗原とする検査を定期的に追跡して確認します。

 

抗菌薬のペニシンが開発されるまで、梅毒は命を落とすと恐れられる感染症でした。1940年代にペニシリンが開発されて以降、一気に患者数は減少しました。しかし、国内ではここ数年で梅毒感染者が増加しています。梅毒は早期の治療で完治できる病気です。感染を拡大させないためにも正しい知識を持つことが大切です。ご参考までにどうぞ。

「抗菌薬の適正使用を考える」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2018.02.08 Thursday
  • 21:15

AMR臨床リファレンスセンター

抗菌薬の適正使用とは何か…
1 薬剤耐性菌を増やさない
2 個人の健康を守る、健康を損なわない(例えば、抗菌薬で腸の細菌叢も死滅することによる腸内細菌の乱れが全身疾患の原因になる)

人間の防御機構とは…
人間の最大の防衛機構は皮膚である。常在菌も存在する。皮膚のバリアが低い乳児、熱傷による火傷、皮膚疾患を持っている人、術後、カテーテルを入れている患者は感染のリスクが高い。

リスクとは…
リスクには両面性がある。A or Bどちらを選んでもリスクはゼロにはならない。どっちのリスクがマシなのかを考える。

抗菌薬の歴史とは…
抗菌薬が発見されたのは100年ちょっと前。ペニシリンはまだ100年経っていません。第二次世界大戦後が抗菌薬時代といわれ、患者が抗菌薬でみるみる治っていった。患者から排出した尿を精製してまた抗菌薬を作っていた。それほど貴重なものであった。しかし、1950年代からペニシリン耐性菌の出現が始まる。日本ではドイツから抗菌薬を輸入していたが国内で製造するようになった。国内で製造するようになったため大量生産が可能となり、軽傷の患者にも抗菌薬を処方するようになった。いま症状がなくても予防的に処方するようになった。しかし、 念のための抗菌薬の処方は無いと考えた方がいい。ヘルシンキ宣言にもあるように、患者さんには利益だけをリスクは与えてはならないとあるように、念のための抗菌薬の処方はリスクの方が高くなると考えられている。

歯科治療における抗菌薬とは…
歯科での外科処置後の抗菌薬の投与は全く効果がないとされている。利益はゼロといえる。ただし、心臓に疾患のある人には術前の抗菌薬の処方は効果がある。術前に抗菌薬時代を飲むことにより、血中の濃度を高め、予防が可能になる。口腔内は細菌だらけである。歯磨きで出血することにより、10%くらいは菌血症になっている。しかし、私たち体には免疫細胞があるので健康な人であれば10分もあれば死滅する。このように歯磨きで健康な人は病気にはならない。アメリカでは心内膜炎のリスクが高い人への術前投与、イギリスでは弁逆流の患者への術前投与も推奨している。

セファロスポリンについて…
セフェム系抗菌薬は開発した時期によって第1世代から第5世代に分類される。この中で第3世代のフロモックス®はほとんど腸管で吸収されないことがわかったので処方する意味がないとされている。血中濃度が保てないので効果がない。第1世代のセファレキシン等は90%腸管で吸収される。口腔内細菌に関してはペニシリンでほとんど死滅する。また、ペニシリン、セフェム系どちらも使うことができない場合は他の抗菌薬を選択する。マクロライド系抗菌薬はマイコプラズマ肺炎球菌にたいして耐性を持ってしまった。(また、マクロライドの使用により心臓疾患の死亡率が増加したという研究データがある。)抗菌薬の使用をやめると耐性菌が減少する可能性が大いにある。今の時期に抗菌薬の不適切な使用を控えることで、私たちの子供や孫の時代にも細菌と戦える抗菌薬を残しておくことができるかもしれない。2020年の東京オリンピックでは、外国人観光客の増加によりリスクはさらに高くなると予想される。厚労省からは抗菌薬のキノロン系、マクロライド系、セフェム系の使用量を今の半分にするようにと通達がでている。つまり、いま処方されていり、50%は抗菌薬が正しく使われていないといえる。

とはいえ、人間は一人一人違う。全く同じ人間はいない。エビデンスや製薬メーカーの添付文書が全てではない。目の前にいる患者をしっかり診て、その人に1番いい医療を提供できる医療人にならなくてはならない。

それは歯科衛生士も同じである。エビデンスは大切だが、それが全てではない。患者さんの口腔内の環境はそれぞれ。全身状態、生きているバックグラウンドもみんな違う。また1人の人間も少しずつ日々変化していく。この人間の小さな変化を見逃さず、目の前の患者さんにとって1番いい医療の提供し、これからおこるリスクを予想し、また早期発見できなければ歯科衛生士として全く意味がない。正直、私は毎日自分の力量の乏しさに悔しいと思うことばかりだ。しかし泣き言を言い始めたらキリがない。だからまた明日から頑張ろう。患者さんのために一生懸命頑張ります。

「無痛分娩 硬膜外鎮痛法」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2018.02.04 Sunday
  • 00:40

IMG_2409.jpg

どうしてお産は痛いのか。

IMG_2375 5.JPG

子宮が収縮したり、子宮出口や膣が引き伸ばされたりすると、その刺激は神経を介して背骨の脊髄に伝わります。脊髄に伝わった痛みは脳へと送られ「脳で痛い」と感じます。痛みを感じるとストレスホルモンが放出され、血管系では交感神経が刺激されます。肺では酸素が増加し、呼吸数が増加します。胃腸は機能が停滞します。

IMG_2374 5.JPG

分娩は第?期〜第?期に分けられます。

初産の妊婦さんの場合は第?期10〜12時間、第?期2〜3時間ほどかかるといわれています。第?期の始めの方は中くらいの痛み、第?期の終わりになるとかなり強い痛みを感じます。第?期は10〜20分ほどで痛みは第?期、第?期に比べて強くないとされています。

1853年、イギリスのヴィクトリア女王がクロロホルムを使用して無痛分娩に成功しました。これをきっかけにイギリスで正式に無痛分娩が認められました。

IMG_2376 5.JPG

硬膜外鎮痛法は背中から刺し、硬膜外針が硬膜外腔に入った後、針の中を通じて硬膜外腔にカテーテル、細い管を入れます。管が入ったら針を抜き、薬の注入が開始されます。お腹の周りに腹巻をしているような感覚になります。脊髄くも膜下腔まで針が到達すればさらに麻酔を効かせることができます。どのタイミングで麻酔を始めるかは、アメリカのガイドラインで妊婦さんのリクエストに応えるのが一番いいとされています。

分娩時の麻酔がなぜ難しいのか。それは、母体と胎児の二つの命を預かるからです。母体は妊娠に伴い常に変化しますし、血液にのって胎児へ、母と子の心拍数が違うなど理由は多々あります。産科ではチーム医療が不可欠です。

現在、無痛分娩はアメリカでは80〜90%に対し、日本ではまだ5%以下の普及率です。

ご参考までにどうぞ ^^

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728   
<< February 2018 >>

【Advanced Care Dental Office】

東京超高画質マイクロCTスキャン顕微鏡歯科治療専門 初診受付03-5638-7438 月曜~金曜9:00am~4:30pm (不定休)1日数名限定・完全予約制・全個室。同時並列診療なし。歯周病治療・根管治療・虫歯治療すべて顕微鏡歯科治療、ラバーダム防湿法。

顕微鏡専門歯科衛生士

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM