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「摂食嚥下障害の原疾患 脳血管疾患 評価・対処」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU
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    脳血管疾患

    脳血管疾患の分類

     

    脳血管疾患の症状

    「症状は脳のどの部分が損傷されるか(病巣)」によって決まる。急性期の症状は「経時的に変化する」ことに特に注意する。脳血管疾患で生じる摂食嚥下障害の病態は、球麻痺偽性球麻痺(仮性麻痺)に分けられる。

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    偽性球麻痺の主症状は摂食嚥下障害と構音障害である。

    摂食嚥下障害の特徴は嚥下に関係する筋肉の運動の協調性の低下と筋力の低下である。具体的には、口唇での食物の取り込みが悪い、食物が口唇からぼろぼろこぼれる、咀嚼と食塊形成が不十分、食塊を奥に送り込めない、咽頭へ入ってから遅れて嚥下反射がおこる、などである。残留、嚥下遅延、silent aspiration(むせない誤嚥)などの理解や対策には運動障害だけでなく、感覚障害を念頭に置かなければならない。また、嚥下失行といって筋肉の動きはいいのに、飲み込めない症状をが認められることがある。また流涎が目立つことがある。球麻痺との違いは嚥下反射が保たれている点である。しかし嚥下反射は随意的に誘発しにくく、また起こっても嚥下圧は低く、口腔期や喉頭閉鎖との協調性に欠けている。VF検査では口の中から咽頭へだらりと食物が流れ込んだり、咽頭に食物が入っても嚥下反射が中々始まらない状態が良く観察される。口腔や咽頭の感覚が低下していて嚥下反射の誘発を送らせていることも関与している。弱い嚥下反射しか起こらず食塊ぎ1回でクリアできずに咽頭に残留してしまうことも多い。


    偽性球麻痺は摂食嚥下障害とともに構音障害が重要な症状でこちらの方が初期から明瞭に認められることが多い。自覚的には「呂律がまわらない」、「何となく喋りにくい」と訴える人が多い。周囲からは「しゃべり方がおかしい」、「言葉が聞き取りにくい」、「酔っ払ったときのようなしゃべり方になった」などと表現される。連続した語を発音しようとすると非常に不明瞭になることがある。

    病変部位
    病理学的には、延髄嚥下中枢に対する上位運動ニューロンである両側の皮質延髄路がどこがで障害された場合に偽性球麻痺が起こると考えられている。

    球麻痺
    球麻痺とは、延髄からでている脳神経の障害による運動麻痺を指しているが、臨床的には顔面神経や三叉神経支配の筋も同時に侵されていることが多い。Wallen berg(ワレンベルク)症候群が有名である。球麻痺では、輪状咽頭部が特に開きにくいなどの要素的な障害がみられるのが特徴である。重症例では、舌、軟口蓋、咽頭の筋肉が弛緩性の麻痺となり、嚥下するためには流動食を重力で流し込む以外に方法がなく誤嚥は必発である。

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    評価と検査
    脳卒中嚥下障害の臨床評価としてはMann Assessment of Swallowing Ability(MASA)が優れている。

    また検査では嚥下造影、嚥下内視鏡検査が重要である。

    摂食嚥下障害の治療として、第一に原疾患の治療、全身管理が重要である。脳卒中急性期の摂食嚥下障害は一過性であることが多く、急性期に誤嚥性肺炎などのトラブルを起こさなければ早期に改善する。なので、口腔ケアの重要性は非常に高い。

    外傷性脳損傷
    外傷性脳損傷で生じる摂食嚥下障害は重症頭部外傷ほど多い。また、脳損傷とともに脳神経損傷により摂食嚥下障害を生じる可能性や多発外傷のなかで外傷性脳損傷を認める場合などは他の外傷の影響による問題を考慮する必要がある。

    外傷性脳損傷の特徴
    脳が損傷された場合、その部位や程度により摂食嚥下障害の症状や状態も様々である。一次損傷と二次損傷があり、一次損傷については、Gennarelliの分類が一般的である。

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    脳挫傷では、前頭葉底部や側頭葉前部などに、びまん性軸索損傷では中脳、橋被蓋、脳梁、海馬、脳室周囲などに病変を認めることが多い。症状の出現は単に脳の損傷部位とその機能局在との関係のみならず、びまん性軸索損傷のようにMRIなどの画像診断でも損傷部位や程度が厳密に評価できない場合もあり、障害の出現や重症度などは受傷時の意識障害などとの関係が考えられる。

    急性期の外傷性脳損傷患者に対しては、まず外傷や治療場面での全身状態、意識状態を含めた神経学的所見、薬物による影響などを評価し、その結果に準じて適宜対応を検討する必要がある。

    1 意識障害のある場合
    低栄養の予防、口腔ケア、体位困難の予防

    2 高次脳機能障害を認める場合
    摂食嚥下障害を有する外傷性脳損傷患者でら、嚥下反射惹起遅延や舌運動不良に伴う食塊のコントロール困難などの先行期・口腔期を中心とした障害をしばしば認める。外傷性脳損傷に伴う高次脳機能障害は従来の障害に加え、さまざまな障害を呈する。このような症状が併発することで先行期を中心に問題が生じやすくなる。特に一口量や複数回嚥下、頸部回旋、といったリハビリテーションテクニックを必要とする場合には十分な条件が設定できないことで、誤嚥や窒息の原因となりうる。そのため、対応には本人の認知機能を高め、学習を促すと同時に安全な摂食条件の設定などの環境整備が有効である。

     

    3 各種薬物療法が行われている場合

    急性期から慢性期に至るまで、様々な薬物療法が行われる。代表的なものとして、外傷性てんかんに対しての抗てんかん薬や、感情のコントロール障害などの高次脳機能障害に対する抗精神薬、不安、不眠などに対する向精神薬や各睡眠導入薬などがある。その中には

    嚥下機能に不利に働くものがあり、漫然と処方されてきた薬物については、減量・中止を含めその対応や管理を慎重に行うことが望まれる。

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