「摂食嚥下障害の原疾患 神経疾患 ALS  パーキンソン病」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2017.11.19 Sunday
  • 16:42

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の摂食嚥下障害

 

<臨床病像>

1 比較的急速に筋萎縮と筋低下が進行する古典型

2 進行性球麻痺型

3 上位運動ニューロン兆候または下位運動ニューロン優位型

4 呼吸筋麻痺型、認知症を伴うものも約20%存在する

 

症状の進行は比較的急速で呼吸管理をしなければ、発症から死亡までの平均期間は約3.5年である。非常に個人差があり球麻痺型では発症から3ヶ月以内に死亡する例もある。一方、呼吸補助なしで10数年の経過をとる例もある。摂食嚥下障害はALSの経過中はほぼ必発であり、その早期発見と一歩先を見越した対応が重要である。適切な栄養管理により体重減少を抑えることが生命予後の延長に寄与する。VFでは口腔期では食塊形成不全、奥舌への移動不良など、咽頭期では喉頭挙上不全、鼻咽腔閉鎖不全、梨状窩の残留、食道入口部開大不全などを認める。食道期は比較的末期まで保たれる。上肢運動障害による摂食時の障害もみられる。呼吸不全が存在すれば摂食嚥下障害が必発であり誤嚥性肺炎と栄養障害は生命予後決定因子である。

 

<摂食嚥下障害への対策>

日本神経学会ALS診療ガイドライン

 

ALS FRS swallowing partの各重症度における対応

 

・FRSsw4(普通の食生活)

摂食嚥下障害の病識がない場合や障害を受容できる場合もある。定期的評価により障害の早期発見と早期介入に努める。

 

・FRSsw3(摂食嚥下障害の兆候または自覚)

残存機能を生かすリハビリテーションや代償テクニックなどの指導を行う。定期的に摂食嚥下機能・栄養状態・呼吸機能の評価と介入を行う。

 

・FRSsw2(食形態変更が必要)

摂食嚥下機能に見合った嚥下調整食を指導する。この時期には食に対する思いが強く、食事時間が延長して疲労感が増してくることがある。摂食嚥下機能の悪化や体重減少が進めば呼吸機能悪化の前に経腸栄養などの補助栄養について説明する。

 

・FRSsw1(摂食嚥下障害が強く、補助栄養が必要)

病期により必要な栄養が異なるため、定期的な栄養評価を行いながら経腸栄養剤の選択と調整をする。ALSでは必要エネルギーが一般的な計算式で正確に算出できない。

 

・FRSsw0(経口摂取不能)

経口摂取のみでは体重減少がみられる場合は重篤な栄養障害や誤嚥を発症する前に経口摂取を中止、または楽しみ程度とし、経腸・頸静脈栄養を主栄養とする。誤嚥が重症である場合でも味わうだけ、噛むだけで飲み込まないなど食の楽しみに配慮する。

 

 

上肢装置 上肢筋力低下に対する摂食動作の補助に有効。自食のQOLが維持される。

 

 

Parkinson(パーキンソン)病の摂食嚥下障害

 

PDは中脳の黒質のドパミン神経細胞変性を主体とする進行性変性疾患である。四大症状として?安静時振戦?筋強剛(筋固縮)?無動?姿勢反射障害を特徴とする。また、同時に2つの動作をする能力の低下、自由にリズムをつくる能力の低下などの運動症状がある。適切な治療を行えば、予後は一般の平均余命の95%以上といわれている。

日本におけるPD患者の死因の上位は、肺炎、気管支炎、窒息、栄養障害であり、これらは摂食嚥下障害との関連が示唆され、PDの摂食嚥下障害は重大な予後決定因子である。嚥下運動のプロセスである随意運動、反射運動、自立運動の全てが(先行期から食道期まで)障害される。

先行期、認知期ではうつ症状、認知障害による摂食障害、上肢の振戦・強剛、斜め徴候。

口腔期では舌運動や咀嚼運動の障害、顎の強剛、流涎、口渇、

咽頭期では、嚥下反射の遅延、誤嚥、咽頭蠕動の減弱、喉頭挙上の減弱、喉頭蓋谷や梨状窩への食物貯留、食道期では上部食道括約筋の機能不全、食道蠕動の減弱、胃食道逆流性症などがみられる。

 

<摂食嚥下障害への対策>

1原疾患の治療

2投薬

3嚥下リハビリテーションの効果

4手術療法

5呼吸との関連

6流涎対策

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