「ISO11138 生物学的インジケータbiological indicator:BI」 東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU 

  • 2019.05.29 Wednesday
  • 15:07

生物学的インジケータ(biological indicator:BI)は当該滅菌法に対して、強い抵抗性を持つ指標菌の芽胞を一定菌量含むもので、滅菌工程の開発、およびバリデーション、再適格性確認、日常の工程管理に用います。生物学的インジケータ(biological indicator:BI)は当該滅菌工程の微生物殺滅効果を直接的に検証できる唯一のインジケータで、無菌性を保証する手段です。滅菌処理後生物学的インジケータ(biological indicator:BI)を取り出し、製造販売元の推奨する手段で培養を行い、結果を判定します。生物学的インジケータ(biological indicator:BI)は化学的インジケータのように特定の重要プロセスにのみ反応するわけではなく、滅菌工程における滅菌工程における微生物殺滅効果を直接的に検証することができるため、滅菌工程の適格性を総合的に判断するのに適しています。

医療機関における滅菌工程のバリデーション、再適格性確認および日常の工程管理などにおいては生物学的インジケータ(biological indicator:BI)に加えて、物理的制御のモニタリングおよび、化学的インジケータと常に組み合わせて用いることが望ましい。使用の際は、適用の滅菌工程に適した工程試験用具(PCD)の形態で使用します。

培地一体型、紙片型、指標菌混濁液など様々な形態の生物学的インジケータ(biological indicator:BI)が市販されていますが、医療機関においては無菌操作が不要で取り扱いが簡便かつ、培養時間が比較的短時間であることが検証されている、培地一体型の使用が望ましいです。

 

関連国際規格

生物学的インジケータ(biological indicator:BI)の製造および評価、選択と使用などについては国際規格で要求事項や指針が設けられています。

ISO11138-1は生物学的インジケータ(biological indicator:BI)の要求仕様の根幹となる規格であり、製造方法、ラベル記載要求事項、性能要求事項、包装方法などが述べられており、生物学的インジケータ(biological indicator:BI)が用いられるべき滅菌法、菌種、菌数、表示、包装方法、使用有効期限、保管方法、D値、Z値、生存/死滅時間、回収菌量確認試験法、廃棄法などが記載されています。

ISO11138-2は酸化エチレンガス滅菌工程のためのBIの規格

ISO11138-3は蒸気滅菌工程のためのBIの規格

ISO11138-4は乾熱滅菌工程のためのBIの規格

ISO11138-5は低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)のためのBIの規格

 

 

使用方法

生物学的インジケータ(biological indicator:BI)を工程試験用具(PCD)に挿入し、滅菌が困難と考えられる場所に置きます。PCDには生物学的インジケータ(biological indicator:BI)と共にCIも一緒に挿入し、すぐの判断材料とします。

滅菌工程のバリデーションおよび再適格性確認などにおける使用目的は、微生物学的稼働性能適格性確認における目的とする無菌性保証水準の達成確認です。特に臨床上避けられない状況を除き、インプラント(生体植え込み器具)を滅菌する工程について生物学的インジケータ(biological indicator:BI)を毎回使用し、陰性結果を確認後に払い出しすることが推奨されています。

また、同一の滅菌器においてもプログラムの変更がある場合は、プログラム毎に生物学的モニタリングを行うことが推奨されています。

 

使用済みの生物学的インジケータ(biological indicator:BI)は医療機関の方針に基づいて廃棄します。市販生物学的インジケータ(biological indicator:BI)の指標菌として通例使用されているGeobacillus stearothermophilusおよびBacillus atrophaeusの病原性は極めて低いが陽性結果を示した生物学的インジケータ(biological indicator:BI)は蒸気滅菌処理してから廃棄することが望ましい。その際の手順などは製造販売元の推奨を確認することが必要です。

 

ご参考までにどうぞ。

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