「蒸気滅菌の特性・バリデーションのまとめ」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU 

  • 2019.09.18 Wednesday
  • 18:26

 

・蒸気滅菌における滅菌剤は水を加熱することによって得られる湿り蒸気である。飽和蒸気滅菌において微生物学的に確立された温度と時間の組み合わせ、例えば、121℃で保持時間20分、134℃で保持時間3分を達成する必要がある。

・水は入手性が高く安価であり、他の滅菌法と比較して非常に経済性が良い。

・他の滅菌法は化学薬品を使用するため、残留毒性を0にすることはできないが、蒸気滅菌の滅菌剤は湿り蒸気なので毒性がなく安全である。

・蒸気滅菌に使用される湿り蒸気は、飽和水と飽和蒸気が混在した状態であることが重要である。水に熱を加えていくと、飽和水→湿り蒸気→飽和蒸気→過熱蒸気という形で蒸気の形が変わっていくが、飽和水、湿り蒸気、飽和蒸気の状態では温度と圧力に一定の関係がある。

・飽和水を多く含んだ乾き度の低い蒸気は滅菌物への蒸気の浸透を妨げ、滅菌不良の可能性が高まる。ISO17665-2では金属鋼製類に対して乾き度95%、繊維質材料に対して90%以上の乾き度を持つ蒸気の供給が指針として示されている。

・蒸気滅菌の滅菌不良の可能性を高める原因として、過熱蒸気がある。過熱蒸気とは、湿り蒸気を過熱し飽和水を全く含まない飽和蒸気になった状態からさらに熱を加えて温度が上昇した非常に乾燥した蒸気である。温度と圧力の相関関係が崩れた状態となる。過熱蒸気は伝熱効率が著しく低下するため滅菌不良が発生する可能が高まる。

・蒸気滅菌の滅菌不良の可能性を高める原因として、非凝縮性気体(NCG)がある。NCGとは蒸気滅菌の蒸気に含まれる空気、二酸化炭素などの気体をいう。蒸気に含まれるNCGは蒸気浸透性の阻害、伝熱不良等を引き起こすため、NCGも管理することが望ましい。ISO17665-2では蒸気滅菌の凝縮水量に対し、NCGの含有率では3.5%の上限が指針として示されている。

 

・滅菌バリデーションとは、ある滅菌工程・滅菌保証が科学的根拠を有して再現性のある条件を求め文書化することである。蒸気滅菌バリデーションは、据付時適格性確認(IQ)、運転時適格性確認(OQ)、稼働性能適格性確認(PQ)からなり、PQは物理的PQと微生物学的PQからなる

・IQとは、滅菌器が予め定められた仕様に従い設置されたことを確認し、文書化することをいう。滅菌器の運転に必要な水、蒸気、電気、圧縮空気、排水設備などの関連設備も含まれる。

・OQとは、IQを実施して設定された滅菌器に対して操作手順通りに使用した際、予め定められた範囲内で滅菌器が作動するという証拠を得ること。その結果を文書化することである。一般的に滅菌器自動運転の動作確認、自動弁の動作確認、真空到達度の確認、リークテストなどを行う。また、滅菌器を無負荷の状態にし、温度・圧力測定用センサーを滅菌器内の複数箇所に設置し、温度分布と圧力を測定する。結果を分析するとこにより所定の減圧度まで達しているか、滅菌中の蒸気圧は適切か、温度分布は規定値内に入っているかを確認する。また、最低温度部位の位置の把握、温度分布の許容水準の規定に努める。

・PQとは、滅菌器に参照負荷を積載し試験を行う。物理的PQと微生物学的PQがある。物理的PQとは、温度センサーなどを用いて温度測定を行い、規定した滅菌条件の範囲内で稼働しているかを確認する。微生物学的PQとは、物理的PQにより得られた最低温度部位にBIを挿入した工程試験用具(PCD)を設置しSAL ≦10-6を達成できる滅菌条件を設定する。

 

ご参考までにどうぞ。

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