「EOG滅菌についてまとめ」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU 

  • 2019.11.04 Monday
  • 21:27

EOG滅菌の滅菌剤は酸化エチレンである。酸化エチレンは低温でその効果を発揮し、材料への負担が少なく、浸透性が優れているという特性を持っている。その反面、毒性、可燃性、爆発性があるため取り扱いや貯蔵には十分な注意が必要である。

 

酸化エチレンは特定化学物質障害予防規則において、第二類物質および特定管理物質(発ガン性の可能性)に指定されている。また女性労働基準規則において、EO濃度が第三管理区分に指定される室内環境での女性の就労を禁止している。EOGの環境への排出に関しては国や自治体で規制があり、PRTR法@環境省などがあり、それに従って適切に対応する。

 

EOG滅菌剤はボンベ式とカートリッジ式がある。ボンベ式はEO濃度20%、二酸化炭素80%である。カートリッジ式はEO濃度95%、二酸化炭素5%なので特に取り扱いに注意が必要である。

 

EOG滅菌の滅菌工程は、コンディショニング→EO作用→排気→フラッシング→エアレーションである。

滅菌条件の範囲は、滅菌温度35〜70℃、相対湿度40%RH以上(ISO11138-2で規定されているEOG滅菌のBIの要求性能の相対湿度は60%RH以上である)、EO濃度400〜1100mg/l、滅菌時間は1時間以上である。

 

滅菌条件の設定は、無菌性保証水準(SAL)が達成される滅菌パラメータ(滅菌温度、相対湿度、EO濃度、滅菌時間)の組み合わせを確立することである。

 

滅菌バリデーションとはある滅菌工程、滅菌保証が科学的根拠を有して再現性のある条件を求め文書化することである。バリデーションには据付時適格性確認 (IQ)、運転時適格性確認(OQ)、稼働性能適格性確認(PQ)がある。PQには物理的PQと微生物学的PQがある。

 

据付時適格性確認 (IQ)では、予め定められた仕様書通りに滅菌器が設置されたことを確認し文書化する。また、水、水蒸気、EO滅菌剤、排気設備、圧縮空気、チャンバー復圧用フィルター、排気ガス処理装置、設置環境、電源設備等が正しく供給されていることを確認する。

 

運転時適格性確認(OQ)では実際に無負荷の状態で運転させた際に予め定められた仕様書通りに滅菌器が動作するかを確認し、文書化する。チャンバーリーク試験、運転パラメータ試験、チャンバー内温度分布試験がある。チャンバー内温度分布試験ではチャンバー内の最低温度部位、最高温度部位を特定する。

 

稼働性能適格性確認(PQ)では、実際に参照負荷を積載した状態で運転させSALの達成を確認し文書化する。

物理的PQでは、データロガー等を用い熱浸透試験を行い、滅菌物の温度測定を行う。滅菌物の最低温度部位、最高温度部位を特定する。微生物学的PQでは、最も滅菌が困難と思われる滅菌物、もしくはそれと同等以上の工程試験用具(PCD)にCI、BIを挿入し、チャンバー内のコールドスポットに置く。CIの変色、BIの死滅を確認し、SAL≦10-6を達成する滅菌条件の設定を行う。

 

機械的制御のモニタリングのみで払い出しを行うパラメトリックリリースという考え方があるが、日常のモニタリングでEO濃度を測定することは難しい。毎回BIを挿入して陰性を確認する必要がある。よってEOG滅菌でのパラメトリックリリースは困難である。

 

ご参考までにどうぞ ^^

 

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