「歯周組織の正常像のポイント supracrestal tissue attachment(骨縁上付着組織)」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU 

  • 2020.02.11 Tuesday
  • 07:05

私たち歯科衛生士が行う歯周治療の基本は、病因論に基づいた「感染の除去とその状態の維持」です。原因が除去されれば生体は本来失われた組織を回復するメカニズムを有すると思われます。歯周再生療法は器官の再生とは異なり、無理に作った組織はやがて喪失する可能性があります。それに対して生体の自然治癒の中で得られたものは真の再生ではなくても、歯の維持に有効に働く可能性があります。

 

成人の上顎中切歯の歯周組織の正常像

歯周組織は歯根膜、歯槽骨、歯肉、セメント質からできています。

骨は唇側の骨は薄く、歯根は一層の皮質骨のみで覆われています。口蓋側では骨幅は広いです。歯槽骨は発生学的に2種類の骨(固有歯槽骨と歯槽突起)からできています。歯根膜周囲の一層の白い皮質骨は「固有歯槽骨」とよばれ、歯根膜由来の細胞によって作られた骨です。その他の部分は歯槽突起で顎骨から派生した骨です。

IMG_9545.JPG

 

歯茎部付近の軟組織の正常像

骨の上にある約1mmの結合組織性付着と約1mmの「上皮性付着を生物学的幅径」(biologic width)、と言います。 

2017年の米国歯周病学会と欧州歯周病学会の合同会議では、「骨縁上組織付着」(supracrestal tissue attachment) と改変されたそうです。

結合組織性付着は歯と歯周組織をつなぎ留めておくためのものであり、上皮性付着は、歯周ポケットからの細菌の侵入を防ぐための付着器官です。歯周炎に罹患している時でも、この2種類の組織付着が存在しています。また、必ず1mmとは限りません。

IMG_9546.jpg

 

歯周炎の病態像

歯周炎では細菌感染により炎症が生じ、歯根膜と歯槽骨が喪失します。

上顎前歯の歯槽骨は唇側は「歯に依存する骨量」(tooth dependent bone volume)で覆われており、口蓋側は「歯に依存しない骨量」(tooth independent bone volume)で覆われています。

歯根膜がなくなれば、全ての骨量が歯に依存している唇側では骨がなくなることを意味します。

口蓋側でも同じように固有歯槽骨はなくなるが、「歯に依存しない骨量」は残ります。とはいえ、炎症の波及によりある程度は固有歯槽骨の吸収も進行します。

 

 

ご参考までにどうぞ。

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