日本では、2014年成立の難病法において「発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない、希少な疾患であって、長期の療養を必要とするもの」と定義されています。また医療費助成の対象となる指定難病の要件には、これに加えて「患者数が本邦において一定の人数 (人口の約0.1%程度)に達しないこと、客観的な診断基準が成立していること」が加わります。指定難病は概ね希少疾患と重なる概念といえます。
現在、希少疾患として約10000種類の疾病が存在すると考えられています。指定難病には、2021年7月1日施行時点で338の疾病が指定されています。また日本国内で未診断の状態にある希少患者数は2018年の報告では少なくとも37000人以上と見積もられています。このように、難病・希少疾患は決してまれな疾病ではないのです。
しかしながら、希少・難治性疾患は、患者数が少なく病気のメカニズムが複雑なことから、診断がついても対症療法を超える医学的対応ができなかったり、治療薬の研究が進まない、生命予後が悪く治療法がないなどから、患者さんやご家族に大きな不安をもたらすことが考えられます。私たちが今できることは「希少・難治性疾患」を知ることです。
希少・難治性疾患に指定に指定されている「低ホスファターゼ症」は遺伝子の変異異常によって、骨や歯の石灰化障害や全身に様々な症状が現れます。症状のなかで1〜4歳頃の「乳歯の動揺・脱落」は特徴的な症状で、歯科医院で発見され、小児科に繋がることがあるそうです。 ご参考までにどうぞ。
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肥満とは、身長に比較して体重が重い「状態」をいい、病気を指す言葉ではありません。体格指数(BMI=体重[?]/身長[m]2)が18.5以上25未満であれば普通体重、18.5未満なら低体重(やせ過ぎ)、25以上の場合が肥満に分類されます。さらにBMIが35以上になると高度肥満に分類されます。
肥満(BMIが25以上)で、肥満による11種の健康障害(合併症)が1つ以上あるか、健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積がある場合は、「肥満症」と診断され、減量による医学的治療の対象になります。BMIが35以上の場合、高度肥満症となります。
一方で、「低体重」の危機に直面している国の数は減少していましたが、最貧困層のコミュニティーにおいては大きな問題となっています。成人の肥満に比べて、低体重が顕著だった国はハイチ人の男性と日本人の女性です。
先進国で低体重が目立つ国は唯一日本の女性だけだったことが指摘されています。この理由については、「日本人女性の体重の自己認識が、実際の体重よりも多く、それが『望ましい』体重より多い」と考えるケースの影響ではないかと指摘されて今ます。女性の低体重は、不妊、骨粗鬆症、耐糖能障害、低出生体重児などの原因になると考えられているので注意が必要です。
BMI19の普通体重の私は、海外の女性に会うといつも「ちゃんと食べてる〜?」といわれます。日本の中では中肉中背な体型ですが、世界から見ると日本人女性の体重の自己認識はちょっとずれているのかもしれません。
また、肥満や低体重と、口腔機能・摂食嚥下障害の関連も注目されています。機能する歯がなかったり、飲み込む力が弱いと食生活が偏ってしまい肥満の原因になると考えられています。逆に思うように食べれないことで低体重に繋がることもあります。日頃から歯のメンテナンスに通院することが大切です。ご参考までにどうぞ。
]]>「口角炎」はビタミンなどの欠乏で発症しやすくなるといわれています。欠乏する原因として胃腸障害、抗生剤の服用、ストレス、肝障害などがあります。臨床症状、細菌検査でカンジダが陽性となった場合は、局所塗布用のフロリードゲルなどが処方されます。
また、口唇ヘルペスは口角炎と症状が似ていますが、左右対象の口角に発症することはまれで、やや上下にずれることが多いそうです。また水泡形成が認められることが特徴です。
〜口角炎が発症する要因〜
「組織の脆弱性」
口角炎の発症にビタミン不足やストレス、ホルモン異常などの関与が指摘されています。特に、ビタミンB2、B6が不足すると皮膚・粘膜の局所の免疫機能や細胞の維持機能の破綻を来しやすく口角炎が生じやすくなると考えられています。ビタミンB2が不足する要因として、極端なダイエット、肝疾患、糖尿病がなどがあります。また、抗生物質のテトラサイクリンたペニシリンや経口避妊薬の服用があります。
ビタミンB6が欠乏する要因として、アルコールを多量に飲んでいる人では、アセトアルデヒドがビタミンB6の活性型の分解を促進するため欠乏しやすくなります。また肝障害を合併している場合に多く見られます。細胞維持機能が低下巣て口角亀裂が生じやすいことや、局所免疫機能の低下で感染が容易となる条件が揃うと考えられています。
「口角亀裂への感染」
若年者は口角炎の部位から、扁桃炎や咽頭炎の細菌が検出されることが多く、高齢者では、カンジダ菌が原因となることが多いと考えられています。また、外耳道や鼻の炎症のある高齢者では、MRSAも認められるケースもあったそうです。(29歳以下の年齢では病原菌は主疾患の病原菌と同じであることが多く、30歳以上では口腔乾燥症やストレス性疾患が多くみられるそうです。また細菌検査では、60歳以上の人の約35%からカンジダ属、約19%からMRSAが検出された)
先日、通院されている患者さんから、1週間ほどお酒をやめたら、ずっと続いていた口角炎が治ったというお話しを聞きました。もしかするとアルコールの摂取によって、ビタミンB6欠乏が起きていたのかもしれませんね。また、当院@イリタニオフィスでは口腔カンジダ菌の検査を行っています。ご参考までにどうぞ。
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先日、当院にメンテナンスに来ていただいている患者さんの前歯部にフィルテルが認められ、歯科用CBCTで撮影したところ、歯の内部吸収が認められました。
患者さんはその歯をほとんど削らないで治療してほしいとのことでした。また他院で歯冠を削らず治療をした症例があると教えていただきました。確かに、その症例は歯冠を残して根管治療を行っていましたが、一番咬合の負担のかかる犬歯が数年後、力の応力に耐えられているのわからないな〜と思いました。
歯科医院を探すときに重要なことは、歯科用マイクロスコープや歯科用CBCTがあることでなはく、それを使う歯科医師や歯科衛生士の技術や鋭い観察力があることです。さらに一番大切なことは同じ歯科医院に通い続けることです。治療前の歯の状態や治療過程を見てきた先生に、治療した後もその歯をずっと見てもらうことが大切です。ご参考までにどうぞ。
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・オセルタミビル(タミフル®、オセルタミビル®︎)
全世界で使用され最もエビデンスのある薬剤です。海外での成人及び小児において、罹病期間短縮、合併症防止が証明されています。オセルタミビルの内服により、消化器症状として下痢は減少しますが、嘔気、嘔吐が増加します。低年齢小児のB型インフルエンザでは、オセルタミビルの効果が減少したことが報告されています。一方、10歳前後の小児では、オセルタミビルとザナミビルの効果について有意差はなかったとのことです。
・ザナミビル(リレンザ®︎)
ザナミビルは、外来で48時間以内に治療を開始した場合には、成人の罹病期間の短縮、症状の軽快が証明されています。健康な小児では、罹病期間の短縮を認めましたが、合併症防止の有効性は証明されていません。B型インフルエンザには、ザナミビルの効果が高いとする報告があります。重症例や肺炎や気管支喘息の合併例では、吸入の効果は限定的あるいは気管支撃箱を惹起する可能性が考えられるため避けるべきです。ザナミビルは、現在まで耐性の報告はほとんど見られません。
オセルタミビルとザナミビルの併用も検討されましたが、単独よりもウイルス学的および臨床的に効果が低下することが報告されています。原則としてノイラミニダーゼ阻害薬同士の併用は避けるべきとされています。
・ラニナミビル(イナビル®)
ラニナミビルについては、HIN1ソ連型の流行時に、成人でオセルタミビルへの非劣性が確認されています。しかし小児では、ラニナミビル治療群はオセルタミビル治療群に比して、60時間以上短縮して有効性が著明に高い結果が得られたそうです。ラニナミビルは、海外試験においてプラセボと有意な有効性が得られなかったことにより海外での発売が中止となり、使用できるのは日本のみとなっています。その後臨床的有効性が継続していることが報告されています。確実に吸入ができれば、1回の治療で完結できます。
ご参考までにどうぞ。
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世界の流行状況は、2023年第5週時点においてA型が約94%を占め、そのうち亜型まで同定された株ではA/H3が約70%でした。B型はすべてビクトリア系統でした。山形系統は、弱毒生ワクチンに含まれていた山形系統のウイルスの検出であり自然界で流行しているウイルスは確認されませんでした。
また国内では、約95%がA/H3でした。国立感染症研究所では世界保健機関(WHO)ワクチン推奨株選定会議で議論された流行株の解析成績、令和4年度ワクチン接種後のヒト血清抗体と流行株との反応性、およびワクチン製造候補株の製造効率などを総合的に評価して令和5年度のインフルエンザワクチンをA型2株およびB型2株を選定されたそうです。ご参考までにどうぞ。
インフルエンザの感染対策は手指消毒、マスク、ワクチン接種が重要です。
A型株
・A/ビクトリア(H1N1)
・A/ダーウィン(H3N2)
B型株
・B/オーストリア(BVR-26)(B/ビクトリア系統)
・B/プーケット(B/山形系統)
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当院にも「歯科用コーンビームCT」があります。患者さんが歯の違和感や、痛みを訴えられた時、視診、触診、温度診、口内法X線撮影、歯科用顕微鏡での確認などと一緒に「歯科用コーンビームCT」を撮影することがほとんどです。他の診断では確認できなかったことが、CTの画像診断によって原因がわかることがあります。
では、2021年歯科衛生士国家試験に出題された問題をご紹介させていただきます。
問題
65歳男性。上顎左側中切歯の精査を行うためにエックス線写真を行った。撮影したエックス線写真をいかに示す。この画像が得られるのはどれか。1つ選べ。
(グッピーズ歯科衛生士より引用)
a 磁気共鳴装置
b 口腔内エックス線装置
c 歯科用コーンビームCT
d パノラマエックス線装置
正解はc 歯科用コーンビームCTです。
a 磁気共鳴装置は、MRIのことです。
d 歯科用コーンビームCTは歯、顎、顔面用に最適化されたCTで、様々な方向の断層像を3次元的に提供できることが特徴です。
〜歯科用コーンビームCT開発の歴史〜
口内法X線撮影は、重積像であることから複雑な歯や歯周組織の解剖学的な構造を3次元的に診断するのは困難でした。1972年X線CT(Computed Tomography)の開発に成功し、1980年代になると歯科大学病院へ医科用CTが普及していきました。これにより広範囲の炎症や腫瘍の3次元的な診断が可能となり、的確な診断と治療が行われるようになりましたが、微細な歯や歯周組織の観察に最適化されているとは言えませんでした。
このような問題を解決するために、1990年代後半から新井先生方は歯科用コーンビームCTの研究を開始し、撮影領域を小さくすることで高画質と低被曝を両立する歯科用コーンビーム CTの開発を行い、1998年には日本大学歯学部付属歯科病院で臨床研究が開始されました。
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歯髄炎をそのまま放置しておくと歯髄壊死となり、神経が死んでいるので温度刺激による痛みはなくなります。また強く歯を打ったりすることで歯が歯髄壊死となることもあります。症状は温度を感じない、歯の色が変わってくるなどです。
歯髄壊死をそのまま放置しておくと歯槽骨の中まで炎症が進行し、根尖性歯周炎となります。レントゲンやCBCTで根尖に透過像が認められるようになり根尖病変といいます。噛むと痛い、膿が出る、たまに強い痛みを感じることがあります。歯髄壊死すると、歯髄を取り除く根管治療が必要になります。
さらに一度根管治療した歯も、根管内に残存していた細菌が原因で再感染することがあります。最初の根管治療でできる限り無菌的な治療を受けることが、歯の寿命に大きく左右します。ご参考までにどうぞ。
当院で行なった根管治療によって根尖病巣が消失し歯槽骨が再生された症例が紹介されています。ご興味ある方はどうぞ
→Iritani Osamu(@dent_photographer) • Instagram写真と動画 instagram.com
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感染根管の治療は、いわゆる「歯の根っこ」の中をきれいにする治療を行います。これを根管治療といい、根管内の歯髄腐敗分解産物や細菌などを取り除きます。また、抜随後の根管壁には象牙芽細胞などの歯髄残遺物や未石灰化の象牙前質が存在していています。これらを除去せずに放置すると、栄養源として根管内で細菌が増殖するため除去する必要があります。 根管内の歯髄残遺物や腐敗分解産物を除去する方法としては、器具で根管壁を切削する機械的な拡大(機械的清掃)と薬剤により溶解、除去する化学的な清掃拡大(化学的清掃)が行われます。また、根管は解剖学的に狭小で複雑なため、細部に細菌が残存する可能性があり残存する細菌をできる限り減らすため根管の消毒が必要となります。根管治療により無菌となった根管は、細菌などが再び侵入し、増殖するのを防ぐため、最終的に緊密に封鎖する必要がます。これを根管充填といいます。 根管充填が終了し、しばらくすると無菌状態になった根管の尖端の部分の歯槽骨が回復し、新しい骨で満たされます。これを歯科用CTで確認することで、治癒したといえます。ご参考までにどうぞ。
当院の根管治療はこちらの院長のInstagramへどうぞ
Iritani Osamu(@dent_photographer) • Instagram写真と動画 instagram.com
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唇側面からみた下顎中切歯です。
舌側面からみた下顎中切歯です。唇側面と比較して、歯石と着色が多く付着していることが確認できます。
手用スケーラーを使用して歯石を除去し、エアーポリッシャーを使用して着色を除去しました。
ご参考までにどうぞ。
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手用スケーラーを使用して、歯肉を切らないよう、歯石だけ除去していきます。
少し透明でわかりにくいですが、除去した歯石が見えますでしょうか?
歯石が付着していることで、炎症が起こっているので歯肉溝上皮から出血はありますが、角化した歯肉は傷つけることなく、歯石を除去しました。歯石を除去する際は、歯牙や歯肉を傷つけることなく、除去することが大切です。
ご参考までにどうぞ。
]]>前回のメンテナンス時「食べ物が詰まってしまうが、この部分に歯間ブラシを入れようとしても入らない」とおっしゃっていました。人工歯とその隣の歯の部分にべったりとプラーク(歯垢)と歯石が付着していることがわかります。
〜4ヶ月前に来院された時の口腔内〜
〜今回の口腔内〜
毎日、ご自身で歯間ブラシのお手入れができるようになり、歯面にプラークや歯石はほとんど付着していません。
歯科用マイクロスコープで拡大すると歯石が付着していることが確認できます。
手用スケーラーを使用して、歯石を除去します。
最後に、人工歯に付着している着色をエアーポリッシングを使用して除去します。
着色除去後です。
患者さんが行うセルフケアは、私たち専門家が行うプロフェショナルケアより重要と言っても過言ではありません。患者さんのセルフケアがスムーズにできるよう、歯科衛生士が行うメンテナンス時には、患者さんの口腔内の細菌量をできる限り減らし、さらにプラークや歯石が付着しにくい口腔内にすることが求められます。ご参考までにどうぞ。
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下顎左側第二大臼歯の頬側面です。装置のしたの歯茎部にプラークがどっさり付着しています。
プラークを除去すると、歯の根面が確認できます。画像ではわかりにくいのですが、この根面はざらついていて、器具で触ると硬くないことがわかります。歯茎部カリエスのリスクが高いと考えられます。プラークを除去し、露出した根面にフッ化物を塗布しました。セルフコントロールでもフッ化物配合の歯磨剤の使用お勧めしました。
矯正治療中は専門家の歯のクリーニングがどう関わってくるかで、将来的なう蝕のリスクが変化すると言っても過言ではありません。患者さんは、歯を長持ちさせたくて時間と費用をかけて矯正治療を行います。矯正治療中にう蝕が発生し、将来的に歯を失ってしまうリスクを増大させることはできる限り避けなくてはなりません。
こちらは、上顎前歯部です。歯ブラシではプラークが取れないくらい石灰化しています。
石灰化したと汚れをスケーラーで除去し、細かい汚れを除去するために、エアポリッシングを行います。
右側はエアポリッシングを行っていて、左側はこれからです。歯の表面がツルツルになっていることがわかります。一度表面をツルツルにすると、しばらくはプラークが付着しにくくなります。
ご参考までにどうぞ。
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エアーをかけて、歯石を明瞭にし、手用スケーラーで歯石を除去していきます。歯肉を傷つけないように、歯石だけを除去します。
歯石除去後です。歯肉が退縮しており、退縮した根面はプラークが付着しやすく、歯ブラシも当たりにくいことから歯石になったと考えられます。この患者さんは、全顎的にお手入れが良いのですが、毎回この部分に歯石が付着してきます。単純に下唇が邪魔をして歯ブラシが当たりにくこと以外の原因が他にないか考えます。
こちらは、上顎の中切歯です。右側の歯茎部の歯周ポケットが腫れていて、ポケットがゆるく、中からプラークがモリモリ出てきます。上顎、下顎共に、この部分に歯石やプラークが付着していることがわかります。
マイクロスコープの光量が強く、写真が見えにくくてすみません。
カチンと歯を噛んでもらうと、中切歯部分が上下で強く当たっていることがわかります。さらに左右に歯軋りをしてもらうと、前歯部が干渉しています。
つまり、前歯部の歯石の付着は、単純にお手入れが行き届いていないことだけが原因ではなく、上下の歯が強く当たっていて、歯周ポケットがゆるくなりやすく、そこにプラークが溜まりやすいことも要因であることが考えられました。ご参考までにどうぞ。
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確実にプラークを除去するためには、根面をエアーで乾燥させる必要があります。つまり、超音波スケーラーなどでお水を出しながらスケーリングを行うと、プラークは全く見えません。歯面を乾燥させてプラークが見えたら確実に、プラークを除去します。
プラークを除去し、清掃された状態でフッ化物を塗布することで、う蝕予防が期待できます。また、根面う蝕の診療ガイドラインでは、根面う蝕を予防するため、フッ化物配合歯磨剤にフッ化物洗口剤を毎日併用させることを推奨しています。
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歯肉に軽く触れただけで出血しってきます。
歯周ポケットの中に慢性的にプラークが存在していると、プラークは細菌の塊なので、細菌が体の中に侵入しないよう、私達の体の中から歯周ポケット内部の毛細血管に白血球や免疫細胞が送り込まれます。毛細血管が風船のようにパンパンに腫れているためこのように大量に出血してきます。
矯正治療中は、ブラケットが付いているため、歯のお手入れが難しいです。お手入れができていないと虫歯のリスクも高くなります。
歯周ポケットの中までプラークや歯石など、汚れがついていないか確認します。
矯正治療中のメインテナンスはとても大切です。定期的に歯科医院でメンテナンスを受けましょう。
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親から子どもへのう蝕の原因となる細菌感染を予防するために、親とスプーンやコップなどの食器の 共有を避けるようにとの情報をどこかで聞いたことがあるかと思います。
この度、日本口腔衛生学会から食器の共有をしないことでう蝕予防できるということの科学的根拠は乏しいとの見解が出ました。
1 親からの口腔細菌感染は食器の共有の前から起こっている
最近の研究で、生後 4 か月に母親の口腔細菌が子どもに伝播していることが確認されています。食器の共有は離乳食開始時期の生後5〜6か月頃から始まりますが、それ以前から親から子どもに口腔細菌は感染しています。日々の親子のスキンシップを通して子どもは親の唾液に接触しますので、食器の共有を避けるなどの方法で口腔細菌の感染を防ぐことを気にしすぎる必要はないと考えられます。
2 う蝕の原因となる細菌
親のミュータンスレンサ球菌が子どもに感染することは複数の研究で確認されています。しかし口腔内には数百種類以上の細菌が存在し、ミュータンスレンサ球菌だけでなく多くの口腔細菌が酸を産生 し、う蝕の原因となります。ミュータンス連鎖球菌だけがう蝕の原因菌ではありません。
3 食器の共有に気を付けていても、子どものう蝕に差はない
う蝕は砂糖を摂取する回数や時間、唾液の質、歯の質、歯並び、歯磨きなどのお手入れなど様々な要因で起こるため、食器の共有と子どものう蝕の関連を調べる際にはそうした要因を考慮する必要があります。う蝕に関連する複数の要因を調べた日本の研究では、3 歳児において親との食器共有とう蝕との関連性は認められていないということです。
4 子どものう蝕予防のためにできること
親から子どもに口腔細菌が伝播したとしても、砂糖の摂取のコントロール、親が毎日仕上げみがきを行ってプラークを除去し、フッ化物を利用することでう蝕を予防することができます。特に、フッ化物の利用は多くの論文でう蝕予防効果が確認されている方法です。
ご参考までにどうぞ。
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代表的なものは足に生ずる白癬で、「足白癬」俗称として「水虫」と言います。日本における疫学調査では、足白癬が増え始める5月には、5人に1人は足白癬があり、また10人に1人は爪白癬があるという報告があります。足白癬は夏に増加し、冬には減少しますので、この調査を7月に行えば、日本人の4人に1人は足白癬があるという結果になったかもしれません。一方爪白癬は季節的変動がありませんので、日本では常時1000万人以上の爪白癬患者がいるということになります。また足白癬、爪白癬は年齢が上がるに従って頻度が増え、特に爪白癬は60歳以上の高齢者の4割がかかっているという米国のデータがあります。最も頻度が高い足白癬は、家庭内の足ふきマットやスリッパなどを長い間共用していると、それらに付着した白癬菌が足に感染して発症する、「家庭内感染」によるものが大部分を占めます。足白癬は、足の裏に小さな水膨れが生じ、水膨れが破れると皮が剥ける小水疱型(汗疱型)と足の指の間の皮が剥けたり、白くふやけたりする趾間型、ヒビ、アカギレのように足の裏全体が硬くなる角質増殖型に分類されています。ただし角質増殖型は稀な病型です。小水疱型や趾間型は、季節的に暖かくなると症状がでて、涼しくなると自然に症状が治まってきますが、角質増殖型は季節的変動がなく、むしろ冬期にはひび割れて痛いこともあります。角質増殖型の足白癬は爪白癬(爪の水虫)を合併していますが、小水疱型、趾間型の足白癬は長い間治療せずに放置していないと爪白癬を合併することはありません。温泉場や銭湯、あるいは足白癬患者がいる家庭の足拭きマットには、ほぼ100%白癬菌が存在します。入浴後にそのようなマットを利用すると、白癬菌が足に付着します。そのまま素足でいれば、足が乾燥し、足に付着した白癬菌は剥がれ落ちますが、白癬菌を付着したまま、靴下・靴を履き続けると、長時間白癬菌が足に付着して足白癬になってしまいます。そして足白癬になった人が、今度は家庭内の足白癬の感染源になり、家庭内の畳、床、スリッパなどに白癬菌をばらまくことになります。そうすると同居している足白癬でない人もやがて足白癬になってしまう可能性がでてきます。夏が過ぎ秋になると白癬菌の増殖が止まり、その数が減ってきます。白癬菌は角層の下にまで増殖しないと、痒みや水膨れといった症状を起こさないので、白癬菌が少なくなると、治ったように見えます。つまり冬には白癬菌が少なくなって、症状が出なくなっているだけで、白癬菌は残っています。白癬菌が残っていると、春から夏にかけて高温多湿の季節になるとまた白癬菌は増え、足白癬の症状が出てきます。家庭内に白癬患者がいる場合、長い間同居していれば、足白癬になる可能性はかなり高くなりますので、家庭内の足白癬患者や爪白癬患者を治すことが最優先課題です。家族内感染を防ぐためには、スリッパやサンダルの共有は避けるとか、足ふきマットは別にするなど、様々なことがあります。一番確実な方法は、水虫の塗り薬を指の間から足の裏全体に1日1回つけていれば、足白癬になることはありません。しかし、水虫の薬を足白癬予防目的に使用することは保険では認められませんので、薬局で買った市販薬を使用するしかありません。一方幸いにして、家庭内に足白癬や爪白癬患者がいない場合は、外から家庭内に白癬菌を持ち込まないことが大切です。白癬菌が皮膚内に侵入し、感染が成立するまで最低24時間かかりますが、しかし足の皮膚に傷口などがある場合は、12時間で感染するというデータがあります。このことから白癬菌が皮膚表面に付着しても24時間以内に足をきれいに洗えば、感染を防ぐことができます。しかしゴシゴシ洗いをして皮膚に傷がつくと、かえって足白癬になりやすくなります。同居人に足白癬の人がいる場合は、常に菌にさらされているので、ゴシゴシ洗いは禁物です。石鹸をよく泡立て、なでるように洗ってください。軽石などでかかとなどをゴシゴシすることも角質を傷付け白癬菌が感染するリスクを高くしてしまうので注意が必要です。
ご参考までにどうぞ。
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(VELO.comより引用)
オーラルタバコは無煙タバコ(厚生労働省)、かぎタバコ、噛みタバコ等といわれ、製品を燃焼させることなく使用し、口腔から摂取するものです。口腔用の無煙タバコは、口腔内や唇・頬と歯肉の間に留置し吸引したり噛んだりして使用しますが、細かいタバコ混合物を鼻腔から吸入したり吸収したりする鼻腔から吸引する様式もあります。これらは世界中の国々で現地固有の名称で呼ばれて局地的に使用されてきましたが、最近では、新しい製品技術によりタブレットやガムなどの形態や、可溶性タバコ製品としてフィルム状やスティック状のものまで開発されています。世界的にタバコ規制が強まり、紙巻タバコの消費が減少していく中、紙巻タバコメーカーが次々と無煙タバコ市場へ本格参入することにより、無煙タバコの消費は年々増加しているそうです。
オーラルたばこは、細かく粉砕したタバコをベースに、様々な添加物や塩(塩化ナトリウム)、水、保湿剤、pH 調節剤(炭酸ナトリウム)などの化学物質を含むもので、粉末状の散剤タイプと小袋に入ったポーションタイプなどがあり、添加物と調製方法により銘柄ごとに様々な香りや味つけがされています。JT は、2007年に英国ギャラハー社を買収した折に、同社が保有していたスウェーデンのスヌース工場を傘下に入れ、スウェーデンで販売してきましたが、今では日本にも輸入されています。
禁煙治療に使用されるニコチン製剤(我が国ではガムとパッチを承認)は、医薬品として薬事法の厳格な管理下に置かれ、ニコチン依存症の治療薬として、ニコチン離脱症状を抑えながらタバコ製品の使用中止に導くものです。これに対して無煙タバコは、タバコ製品の使用継続という、全く異なる目的で製造・販売されています。
オーラルたばこは、すべて依存性物質であるニコチンを含み、依存形成のメカニズムや離脱症状は喫煙(紙巻タバコ)と同じ問題を抱えています。しかも、オーラルたばこはpH がアルカリ性に調整され、ニコチンがイオン化せずに非イオン型 で存在することから、口腔粘膜や鼻腔粘膜からのニコチンの吸収速度が高く、依存に陥りやすい製品設計となっています。紙巻タバコと口腔用嗅ぎタバコ、噛みタバコ、ニコチンガムの使用による血中ニコチン濃度を比較した研究によると、無煙タバコは、紙巻タバコに比べて 1 回の摂取単位時間が長いことから、いずれも血中ニコ チン濃度が高く保たれます。また、ポーション(小袋)入りは、1 単位の用量が小さくても、一度に複数個あるいは連続的に使用できるので、依存性物質や発がん物質を高用量に摂取する可能性があります。1 回の使用単位は製品の種類や使用者により様々ですが、平均的な使用者はこれを 1 日 11〜14 時間も、口腔内に留置するそうです。
オーラルたばこは、口腔がん、食道がん、膵臓がんの原因となり、心疾患、歯周疾患、白板症などの口腔内病変のリスクをあげます。さらに健康障害についても、スウェーデンで実施された大規模コホート研究により、 胃がん、食道がんのリスクを上げること、タバコ関連がんの全がん死亡のリスクが上 がること、妊娠時のスヌースの使用により、死産のリスクが上がることが明らかにされています。また、オーラルたばこは、紙巻タバコより容器が薄く小さく、口腔内で使用するので、携帯したり使用しても外部からは容易に判別できず、未成年者における摘発が困難となります。パッケージもミント菓子と見紛うような外観をもつ容器に入っているものもあります。
無煙タバコ製品の最大の問題は、「通常の紙巻タバコに比べて健康被害が少ない」、「煙が出ないことから受動喫煙の危険性がない」など、「より安全な製品」と誤認されていることです。実際に30 種類近い発がん物質を含んでおり、がんや循環器疾患の発生を増大させることは間違いなく、使用を抑制しない限り、結果的に将来の医療費の増大に繋がります。口腔内に留置するという使用法や無煙であることなどから、使用の有無を判定することが 難しく、青少年における使用の拡大が危惧されます。青少年がこれら新規製品の主たるターゲットとならないよう、教育関係者、医療関係者、行政関係者が協力して、危険性とマーケティングからの防御法を教授する機会を 設けるとともに、メディアや社会に対しても警鐘を鳴らす必要があります。
ご参考までにどうぞ。
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熱中症の疑いがある時はどうすればいいの?
・涼しい環境への避難
風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内や車内などに避難させましょう。
・脱衣と冷却
上着を脱がせて、体から熱の放散を助けます。きついベルトやネクタイ、下着はゆるめて風通しを良くします。
露出させた皮膚に濡らしたタオルやハンカチをたっぷりあて、うちわや扇風機などで扇ぐことにより体を冷やします。服や下着の上から少しずつ冷やした水をかける方法もあります。
自動販売機やコンビニで大きなビニール袋入りのかち割氷、氷のうなどを手に入れ、それを後頭部、前頚部 (首の付け根)の両脇、腋窩部(脇の下)、鼠径部(大腿の付け根の前面、股関節部) にしっかり当てて、皮膚直下
を流れている血液を冷やすことも有効です。
体温の冷却はできるだけ早く行う必要があります。重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっています。
救急車を要請する場合も、その到着前から冷却を開始することが必要です。
・水分・塩分の補給
冷たい水を持ってもらい、自分で飲んでもらいます。冷たい飲み物は胃の表面から体の熱を奪います。同時に水分補給も可能です。大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポー
ツドリンクなどが最適です。
応答が明瞭で、意識がはっきりしているなら、冷やした水分を口からどんどん与えてください。
「呼びかけや刺激に対する反応がおかしい」「答えがない(意識障害がある)」時には誤って水分が気道に流れ 込む可能性があります。また「吐き気を訴える」ないし「吐く」という症状は、すでに胃腸の動きが鈍っている可能性があります。これらの場合には、口から水分を飲んでもらうのは禁物です。すぐに病院での点滴が必要です。
・医療機関へ運ぶ
自力で水分の摂取ができないときは、塩分を含め点滴で補う必要があるので、緊急で医療機関に搬送するこ とが最優先の対処方法です。
実際に、医療機関を受診する熱中症の10%弱がIII度ないしII度(重症度分類については51ページ参照)で、 医療機関での輸液(静脈注射による水分の投与)や厳重な管理(血圧や尿量のモニタリングなど)、肝障害や 腎障害の検索が必要となってきます。
外国からの旅行者の患者には、可能であれば外国語対応が可能な医療機関を紹介します。
ご参考までにどうぞ。
]]>糖質の主な働きは、エネルギー源になることです。1g約4kalのエネルギーを発生します。食事からのエネルギー源として最も多くを占め、利用されます。摂取した糖質は消化酵素によって単糖類まで分解され、腸管から吸収されます。セルロースなどの食物繊維はヒトの消化酵素では分解されず、糞中へ排出されます。吸収された糖類はグルコースとなって血液に入り、エネルギーの必要な組織に供給されます。血液中のグルコース濃度を血糖値といい、インスリン、グルカゴン、アドレナリンなどのホルモンや肝臓におけるグルコースの生合成により一定濃度になるように調整されています。空腹時の血糖値は健常人で70〜110mg/dlです。
筋肉や肝臓には、グルコースの貯蔵形態であるグリコーゲンが貯蔵されています。グリコーゲンは必要に応じてグルコースに分解され、血中へ放出され、各組織でエネルギー源として利用されます。ただし、筋肉のグリコーゲンは、筋肉を動かすときのエネルギー源になりますが、グルコースに再度分解され、血糖として血液中に入ることはできません。肝臓のグリコーゲンは、血糖として血液中に放出され、血糖維持にも利用されます。体内に貯蔵できるグリコーゲンの量は、肝臓に約100g、筋肉に約250gといわれています。この量では、ヒトが1日に必要なエネルギーを補うことができないため、食物からの摂取が必要となります。
余剰な糖質は、中性脂肪や脂肪酸に生合成され、脂肪組織に沈着します。フルクトースは、グルコースより中性脂肪になりやすく、血清コレステロールを上昇させやすいです。また耐低能の低下を引き起こしやすいといわれています。脂肪の沈着増加、血清コレステロールの上昇、耐糖能の低下などは、心疾患、糖尿病、などの生活習慣の誘引となるため、好ましくありません。糖質の過剰接種にならないよう注意する必要があります。
血液によって体内の各組織に運ばれたグルコースは、代謝され、最終的に二酸化炭素と水になります。この代謝段階で放出されるエネルギーを各組織の活動エネルギーとして利用しています。グルコースが円滑に代謝されるためには、十分量の酸素とビタミンが必要です。これらが十分でない場合、グルコースは完全に代謝されず、中間代謝物であるピルビン酸や乳酸などが増加してしまいます。
脳のエネルギー消費量は最も高く、体内で消費するエネルギーの約20%、 1日あたりおよそ400〜500kalになります。通常、脳の唯一のエネルギーは源はグルコースで、血糖が直接エネルギーとして利用されています。ですので、朝食を欠食すると、血糖値が低下し脳へのエネルギー源が不足することから、脳が十分に働かず、集中力や記憶力が低下するといわれています。
ご参考までにどうぞ。
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HPV感染の一部は持続感染となり、良性から悪性まで様々な疾患を引き起こします。子宮頸がんの95%以上は子宮頸部でのHPVの持続的な感染が原因となり、HPV感染は子宮頸がん以外にも、肛門がん、外陰部がん、膣がん、陰茎がん、中咽頭がんなどの原因となります。
HPVは200以上の遺伝子型に分類され、日本人におけるHPV陽性子宮頸がんの9割以上が9価HPVワクチンによって予防可能なHPV型に起因すること、日本人における中咽頭部がんの5割以上がHPVに起因することが知られています。HPV感染、子宮頸がんの前駆病変である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)、上皮内腺がん(AIS)および初期の子宮頸がんでは通常自覚症状がほとんどありません。子宮頸がんの発症には、長期にわたるCIN病変の進展・退縮の過程を経ます。子宮頸がんおよび前がん病変の進行度によって、異なる治療法が提案されます。浸潤がんの場合、子宮全摘術が基本となりますが初期の段階の場合、本人の希望があれば妊孕性の温存のための選択肢も考慮されるそうです。 子宮頸がんは比較的予後のよいがんですが、がんが進行するほど生存率は低くなります。(5年実測生存率:I期93.4%、II期76.1%、III期61.9%、IV期25.6%)日本では年間約11,000例の女性が子宮頸がんと診断され、約3,000人が子宮頸がんによって死亡しています。日本における子宮頸がん罹患率は1980年代には高齢層にピークでしたが、罹患率が高齢層で減少、若年層で増加した結果、近年では30歳〜50歳代で罹患率が高いがんとなっています。
死亡率でも同様に、60歳以上では死亡率が減少しているのに対して、40歳〜50歳代では死亡率が増加しています。日本における子宮頸がん罹患率、死亡率はともに西欧、オーストラリア、韓国より高いレベルになっています。
HPVと関連がある中咽頭部(舌根、口蓋、扁桃、中咽頭)のがんは、日本で年間約4,800例が診断され、約1,300人が死亡しています。中でも中咽頭がんはHPV関連がんで子宮頸がんの次に罹患数が多く、年間約2,300例が診断され、約1,100人が死亡しています。中咽頭がんの罹患率、死亡率はともに増加傾向にあり、特に高齢で高いです。その他のHPV関連がん(肛門がん、腟がん、外陰部がん、陰茎がん)においても高齢になるほど死亡率が高い傾向にあります。
一次予防のワクチン接種、二次予防の定期検診を受け予防に努めましょう。ご参考までにどうぞ。
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口腔内写真です。歯茎部にべたっりプラークが付着し、歯肉が腫れていることが確認できます。
歯科用マイクロスコープで確認します。
拡大します。歯肉が発赤し晴れていることがわかります。
歯肉縁上のプラークを除去していきます。
健康な歯肉は触れただけでは出血しませんが、プラークが慢性的に付着している歯肉なので、歯周ポケット内部の毛細血管がパンパンに腫れているため、少し触っただけで出血してきます。
プラークを取り除いたあと、今度は、歯周ポケット内部に縁下プラークや歯石が付着していないか確認します。今回は異物の付着は見られませんでした。
ご参考までにどうぞ。
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本日は2016年から通院されている40代女性のメンテナンスです。現在、歯科医師の治療は一段落し、定期的にメンテナンスにいらしています。
左下第一大臼歯の頰側の歯茎部の歯肉が退縮しており、根面が露出し、初期う蝕が疑われます。
表面についているプラークを除去し、拡大します。
拡大し、探針で根面を触ると、根面の組織が硬くないことがわかります。
活動性の根面う蝕が疑われます。
「根面う蝕の診療ガイドライン」では、
永久歯の活動性根面う蝕の回復に、フッ化物配合歯磨剤にフッ化物配合洗口剤を毎日併用させることにより、活動性根面う蝕が硬くなり、非活動性になる。よって、永久歯の活動性根面う蝕の回復に、本法を推奨する。とあります。
さらに、歯科医院で使用する高濃度フッ化物のバニッシュ(22,600ppmNaF)は、国内では象牙質知覚過敏鈍麻剤としてのみ認可されていますが、欧米諸国では小児から高齢者に至るまで、積極的にう蝕予防に応用されています。
本日は、録画したメンテナンスの動画を見ながら患者さんに根面う蝕の現状とガイドラインについて説明しました。フッ化物に少し抵抗のある方なので、ここの部分だけピンポイントでフッ化物配合歯磨剤の使用をおすすめさせていただきました。また次回メンテナンス時に変化を確認します。
ご参考までにどうぞ。
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「肥満」とは
身長に比較して体重が重い状態をいいます。体格指数(BMI)が18.5以上25未満であれば普通体重、18.5未満なら低体重で、25以上の場合が肥満に分類されます。BMIが35以上になると高度肥満に区分されます。
「肥満症」とは
定義
「肥満に起因ないし関連する健康障害を発生するかその合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態をいい、疾患単位として取り扱う」
肥満(BMIが25以上)で、肥満による11種の健康障害(合併症)が1つ以上あるか、健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積がある場合に診断され、減量による医学的治療の対象になります。BMIが35以上の場合、高度肥満症となります。
〜肥満による11種の健康障害(合併症)〜
耐糖能障害
脂質異常症
高血圧
高尿酸血症・痛風
冠動脈疾患
脳梗塞
脂肪肝
月経異常及ひ妊娠合併症
睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
整形外科的疾患
肥満関連腎臓病
肥満症の治療の基本は減量です。目的はBMI を25以下にすることではなく、内臓脂肪を減らして肥満に合併する疾患を予防・改善することです。肥満症に含まれる11種の疾患は、体重減少により改善できるので、それぞれの合併症に合った減量目標を設定します。
1)ライフスタイルの改善
減量治療の基本は、食事、運動、行動療法などのライフスタイル改善療法です。できるかぎり医師や保健師、管理栄養士、運動指導者(理学療法士、健康運動指導士等)の専門職の支援を受けながら、一人ひとりの背景や環境に合った食事療法と運動療法を行います。また、食事・運動療法は続けることが何よりも大切です。動機付けやいかに生活の中に無理なく自然に取り入れるかを工夫することで、食事療法と運動療法の効果が高まります。
2)薬物療法
肥満症の薬物療法は、肥満症と診断された方が食事療法や運動療法などを行ってもそれだけでは効果が不十分な人に対して、医師の判断により検討されます。現在、日本で肥満症治療薬として保険診療で使えるのは食欲抑制薬であるマジンドールですが、対象はBMI 35以上の高度肥満症に限定されています。
3)外科療法
高度肥満症(BMI 35以上)では、胃の一部を切除する外科手術によって長期的に減量を維持でき、肥満に関連する各種健康障害に改善効果が高いことが証明されています。ただし、対象となるのは18〜65歳で、他の病気が原因ではない肥満であり、6ヵ月以上の内科治療で改善が見られないBMI 35以上(糖尿病等の代謝障害を合併する例では,BMI 32以上)の高度肥満症の場合のみ適応となります。
ご参考までにどうぞ。
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ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症するアレルギー様の食中毒のことです。
ヒスタミンは、食品中に含まれる「ヒスチジン」(アミノ酸の一種)にヒスタミン産生菌の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成します。そのため、ヒスチジンが多く含まれる食品を常温に放置する等の不適切な管理をすることで、食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。ヒスタミンは熱に安定し、調理加工工程で除去できないため、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません。
食中毒の原因となる食品は?
ヒスチジンを多く含むマグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジなどの赤身魚及びその加工品が主な原因食品として報告されています。
ヒスタミンによる食中毒の予防方法と対策
一度生成されたヒスタミンは、調理時の加熱等では分解されません。そのため、ヒスタミン産生菌の増殖と酵素作用を抑えてヒスタミンを生成させないようにするため、原材料(魚の場合には死んだ瞬間から)から最終製品の喫食までの一貫した温度管理が重要です。
ヒスタミン食中毒の予防方法
魚を購入した際は、常温に放置せず、速やかに冷蔵庫で保管するようにします。
ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在するので、魚のエラや内臓は購入後できるだけ早く除去します。
鮮度が低下した恐れのある魚は食べないようにしましょう。調理時に加熱しても分解されません。
ヒスタミンを高濃度に含む食品を口に入れたときに、くちびるや舌先に通常と異なる刺激を感じることがあります。 この場合は、食べずに処分してください。
ご参考までにどうぞ。
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歯茎の中の歯石を除去することで炎症が収まり、歯の寿命が長持ちします。皆さんもご興味ありましたら是非ご視聴ください。
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当院では、歯科医師の治療・歯科衛生士の治療共に、アシスタントが診療の補助をします。これはフォーハンドテクニックと呼ばれるものです。
フォーハンドテクニックとは、診療時に器具機材の受け渡し、バキューム操作等を、術者と介助者の4つの手で行い、効率的かつ正確に診療をすすめるためのテクニックのことです。手術介助におけるフォーハンドテクニックに限れば、術者(歯科医師)が術式に沿った手術器具を介助者(歯科衛生士)から受け取り、術部から目線を外すことなく進められる連携した手術方式をいいます。この時、手術補助を行う歯科衛生士が歯科医師に並ぶ専門的知識を有することで、よりスムーズに進めることができると言われています。
歯科衛生士の診療でも同じです。歯科衛生士が歯科用顕微鏡下でスケーリングを行う場合、アシスタントが歯科衛生士の術式を理解し、次に使用する器具を出したり、術野を明瞭にするようにサポートをします。そうすることで歯科衛生士が視線を外すことなく歯肉の中の歯石を確認することができます。
現在、歯科衛生士が歯科用顕微鏡でスケーリングをしているという歯科医院が増えています。しかし、アシスタントがいるという話は全く聞いたことがありません。アシスタントがいないということは…術野が限られ当然除去できる歯石も限られてきます。
当院では、全ての処置をフォーハンドテクニック で行い、全ての処置を動画に残し、術後に患者さんにご説明をしています。ご興味を持たれた方は、歯科衛生士NaomiさんのYouTubeをご覧下さい♪
本日は、当院の歯科衛生士naomiさんの講演もあります。それでは、行って参ります!!
本日のプログラム概要
【感染症基礎講座16】「中央材料滅菌室で生じるインシデントが患者に与える影響」
村越 智(神奈川県立保健福祉大学 保健医療学部 栄養学科 教授)
【特別講演1】医療安全と教育
中村 京太(横浜市立大学附属 市民総合医療センター 医療の質・安全管理部 准教授)
【特別講演2】鉄道業界における「安全教育と職場風土の作り方」
中村 裕之(九州旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 安全創造部(安全マネジメント) 上席執行役員 鉄道事業本部副本部長・安全創造部長)
【滅菌トピックス】環境と安全から考えるEO滅菌
久保田 英雄(東京医科歯科大学病院 材料部 部長)
【パネルディスカッション】私たちがおこなっている滅菌管理部門の安全対策
1.患者を守るための安全対策
1)橋本 素乃(東京医科歯科大学病院 材料部 サブマネージャー)
2)池田 竜(鴻池メディカル株式会社)
2.スタッフの身を守るための安全対策
1)戸田 奈緒美(Advanced Care Dr.Iritani's Dental Office)
2)菊地 光高(日本ステリ株式会社)
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対象となるのは、今年度20歳・30歳・40歳・50歳・60歳・65歳・70歳になられる方です。お住まいの自治体から、成人歯科健康診査受診票がご自宅に郵送されます。費用は自治体によりますが、船橋市は500円となっています。
口腔内の健康状態は、日々の食事や会話などのQOL(生活の質)に影響してきます。成人期に多い歯周病は、糖尿病や心疾患、全身に影響をもたらします。歯だけでなく、歯肉などお口の健康状態を歯科医院で確認してもらうことが大切です。
診査内容
・口腔内の状況(歯および口の中全体の視診)
・歯周組織の状況(特定の歯の歯周ポケットの深さを測定します)
・口腔機能の検査(65歳・70歳の方のみ)
・検診結果に基づく保健指導
※健診の当日は治療はできません
訪問での健診は行っていないので、歯科医療機関に来院して受診することが必要です
残念ながら、船橋市の成人歯科健康診査全体の受診率は6〜7%にとどまっています。
未成年の時は、保護者の監視下で歯のお手入れができていた方も、成人してから自立することで多忙な生活などが原因で口腔内の環境がガラッと変化することがあります。若いうちから定期的にかかりつけの歯科医院を受診しましょう。
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1994年に創刊され、30年近い歴史があります。毎年2冊の発行を行い、既刊全冊はPDFデータで掲載されています。会員登録すると全ての記事を見ることができます。
2023 Vol.30 No.1では、「性感染症」「エムポックス」「HPVワクチン」「医療現場における滅菌保証のための評価ツール」など、とても勉強になる論文が掲載されています。
そして、この度私は「第1種滅菌技師を取得して」にエッセイを寄稿させていただきました。初めての経験で至らないところだらけですが、歯科医院の現場で働く立場から、歯科の滅菌の問題点などを考えさせていただきました。
エムポックスは「サル痘ウイルス」によって感染する病気です。これまでアフリカを中心とした一部の地域でみられる病気でしたが、2022年5月以降、欧州、アメリカ地域を中心とした世界的な流行となり、2023年5月現在、111の国で87000人以上の感染が確認されています。症状は、発熱、リンパ節の腫れ、発疹です。ほとんどの場合、2〜4週間で自然回復します。
(医学検査研究所より引用)
潜伏期間は4〜21日(通常7〜14日)の後、発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などが1〜5日続き、その後発疹が出現します。発疹は体だけでなく、口腔内や、陰部、目、にもできることがあります。発疹は水泡状で、最後は痂皮になって剥がれ落ちます。
感染経路は、主に感染した人や動物の皮膚の病変、体液、血液に触れた場合(性的接触を含む)や、長時間の飛沫に曝されると感染すると考えられています。海外の感染者では、感染者の多くは成人男性で、そのほとんどが男性間に性行為を行う、バイセクシャル、MSM(Men who have sex with men)と報告されています。
アメリカでは、mpox患者の濃厚接触者には、曝露後の予防として、天然痘ワクチンの2回接種が実施されています。天然痘ワクチンには、mpoxの予防に約85%有効とされています。発症を防ぐために最初の曝露から4日以内の接種が推奨されています。ご参考までにどうぞ。
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(国立がん研究センター東病院より引用)
主な症状
・治まらない咽頭痛
・嚥下障害
・口を大きく開けられない
・舌を動かしにくい。
・原因不明の体重減少
・耳の痛み
・口腔の奥、喉、頸部にできるしこり
・舌の上や口腔の内側にできて、自然に消失しない白い斑点
・喀血
解剖学的に、中咽頭部は上方の軟口蓋と下方の舌骨の間に位置します。前方は口腔と連続し上方は上咽頭と下方は声門上部および下咽頭と交通します。
中咽頭扁平上皮がんの危険因子
・10パック(1日1箱を10年、または1日2箱を5年など)を超える喫煙歴および他のタバコ使用
・過度の飲酒
・HPV感染、特にHPV-16としても知られているHPV16型への感染
・頭頸部がんの個人歴
・ベテル・チューイング
米国における喫煙率は低下しているため、HPV陰性のタバコ関連中咽頭がんは減少しています。しかし、HPV陽性の中咽頭がんが増加しています。1988年から2004年までのHPV陰性がんの有病率は50%減少し、HPV陽性中咽頭がんは225%増加しているそうです。中咽頭がんの臨床像は中咽頭における腫瘍の位置によって異なります。
中咽頭がんび発生する部位
・扁桃
・舌根部(有郭乳頭より後方の舌の後方1/3)
・喉頭蓋谷
・軟口蓋、下面、または口蓋垂
・咽頭後壁
「扁桃」
前口蓋弓および扁桃は、中咽頭原発腫瘍の最も一般的な位置です。前口蓋弓に浸潤する病変は、形成異常、炎症、または表層に拡がる病変の領域として現れることがあります。これらのがんは、外側の軟口蓋、臼後三角および頬粘膜、および扁桃窩を含む広範な領域に拡がることがあります。リンパ液は主にレベルIIのリンパ節へと流れている。
後口蓋弓の腫瘍は、下方に進展して咽頭喉頭蓋ヒダおよび甲状軟骨後面に浸潤することがあります。後口蓋弓の腫瘍は、下方に進展して咽頭喉頭蓋ヒダおよび甲状軟骨後面に浸潤することがあります。
扁桃病変の徴候および症状
疼痛
嚥下困難
体重減少
同側投射性耳痛
頸部の腫瘤
「舌根部」
臨床的に舌根部のがんは潜伏性です。これらのがんは、浸潤性または外方増殖性に成長することがあります。舌根部には痛覚線維がないためこれらの腫瘍はかなり進行するまでしばしば症状がありません。
舌根部の進行がんの徴候
疼痛
嚥下困難
体重減少
脳神経浸潤に続発する投射性耳痛
翼突筋浸潤に続発する開口障害
舌深層の筋への浸潤による舌の固定
頸部の腫瘤
※舌根部には豊富なリンパ流があるため、リンパ節転移が一般的です。
「軟口蓋」
軟口蓋腫瘍は主に前面でみられます。この領域の病変は表面に初期病変でとどまることがあります。
「咽頭壁」
咽頭壁の病変は上方の上咽頭、後方の頸筋膜椎前葉、および下方の梨状陥凹および下咽頭壁に浸潤して拡がることがあります。ほとんどの咽頭がんは正中線を越えて進展するため、両側頸部への転移が一般的です。早期腫瘍はしばしば無症状です。咽頭壁の腫瘍は一般的に進行期に診断されます。
咽頭壁の進行期腫瘍の徴候
疼痛
出血
嚥下困難
体重減少
頸部の腫瘤
「白斑症」
白斑症は、擦っても除去できない白い斑点を認めることを意味する臨床記述用語としてのみ使用されその重要性は組織学的所見によって決まります。白斑症は、過角化から実際の早期浸潤がんまでの範囲に及び、真菌症、扁平苔癬をはじめとする良性の口腔疾患の場合もあります。
私たち歯科衛生士は、患者さんの口腔内の異変に気がついたら専門家への架け橋となることが大切です。
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第22回首都圏滅菌管理研究会を6月4日(日)に「滅菌の現場から『安全』を叫ぶ」をテーマにいたしまして一橋大学一橋講堂にて現地開催されます。
申込は5月初旬から開始予定です。
私の師匠である当院の歯科衛生士Naomi さんの講演も決まっております。
勤務先の医院で滅菌・消毒業務を行っている歯科医療従事者の皆さまもお時間が合えばご参加下さい^_^
「歯髄温存療法」とは
う蝕が歯髄に近接する深部象牙質まで進行した場合、感染象牙質を徹底して除去すると露髄が生じるために抜髄を選択せざるを得ない場合があります。このような場合に、感染象牙質を意図的に残し、そこに覆髄剤を貼付することで、残置した感染象牙質の無菌化や再石灰化、第三象牙質の形成を促進して治癒を図る治療法です。
「歯髄温存療法」の良い点
1) 露髄を回避することができる。
2) タンニン・フッ化物合剤配合カルボキシレートセメントや水酸化カルシウム製剤を貼付することによって、う窩の細菌数が減少する。
3) タンニン・フッ化物合剤配合カルボキシレートセメントや水酸化カルシウム製剤を貼付することによって、う蝕象牙質が再石灰化する。
4) タンニン・フッ化物合剤配合カルボキシレートセメントや水酸化カルシウム製剤を貼付することによって、3 〜 6 ヶ月で第三象牙質の形成が認められる。
なぜ日本でスギが多く植林されているのでしょうか。
昭和35年の所得倍増計画、高度成長期における薪炭材の需要の低下、住宅建築などに伴う用材需要の増大により、天然林を人工林に転換する拡大造林への要請が高まったそうです。
そして荒廃した林地への緑化運動の展開や、天然林伐採跡地への植林の拡大にあたり、固有樹種で加工しやすく、幅広い用途に使えるスギが好んで植えられていきました。結果として、現在では森林の約4割が人工林で、人工林の約4割がスギ人工林となっています。
スギは、我が国固有の樹種で、北海道から九州の屋久島まで広く分布しています。根を深く張り、土層が深く肥沃な土地で良く成長します。また、材は軽くて柔らかくまっすぐに育つことから加工が容易なため、建築材、家具材、器具材等幅広い用途に利用できます。このような有用樹種であるため、スギが森林所有者に好まれて植栽されてきた経緯があるそうです。
スギが花粉を飛ばし始める年齢、または花粉を飛ばさなくなる年齢については、まだ未解明で不明な部分も多いですが、植えてから10数年たつと雄花ができはじめ、本格的に花粉が生産されるのは通常は30年程度と言われています。国内のスギの多くが、植えられてから30年以上となっています。
特に、戦後に先人たちが植えてきたスギの人工林が、徐々に成長して30年を超える林が増えてきたことに伴って、花粉の生産量も増加してきたと推測されますが、雄花の着花量・花粉の生産量は気象条件等により毎年変動するため、花粉飛散量も年によって大きく変動するそうです。
ご参考までにどうぞ。
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歯科衛生士学校の薬理学の教科書にも載っています。
「歯周組織再生剤」
塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF2:リグロス®︎歯科用液キット)が用いられる。フラップ手術と同様の術式で骨欠損部の肉芽の除去を行い、SRPを行った後、滅菌生理食塩水で十分洗浄し、血液または唾液で根面が汚染される前に、欠損底部を起点に歯槽骨欠損部を満たす量のリグロス®︎を塗布し、縫合する。
(最新歯科衛生士教本 疾病の成り立ち及び回復過程の促進 3 薬理学 第2版より引用)
先日のご説明では、患部に血液があっても塗布して問題ないとのことでした。また塩基性なので、酸に弱いこと。多く塗布してしまうことで歯肉に影響が出てしまうなど、臨床的なお話や注意点を知ることができました。
「歯周組織再生機序」
リグロスは歯周組織欠損部の未分化間葉系細胞、歯根膜由来細胞に対して増殖促進作用を示すとともに血管新生を促進します。これらの作用により増殖した細胞は骨芽細胞、セメント芽細胞へと分化し、歯槽骨、セメント質及び歯根膜の新生や結合組織性付着の再構築により歯周組織が再生されます。
(科研製薬株式会社より引用)
ご参考までにどうぞ。
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「歯根端切除」とは
非外科的な根管治療を行なっても症状が改善しない場合には、感染が残存している部分を外科的に取り除く処置が必要となります。歯の全体を抜歯して、感染している部分を取り除くのではなく、歯の一部分だけを外科的に取り除くことで、症状の改善を図るのが歯根端切除術の目的です。
根管治療を行っても根尖病巣が残ってしまうことがあります。その場合は次に行う治療の手段として、「歯根端切除」を行うことがあります。今日は術式を復習して行きます。
1.局所麻酔と切開
2.根尖病巣の摘出
3.歯根端の切除
4.逆根管形成 逆根管形成専用の超音波チップで、切断面の根管の窩洞形成
5.止血
6.逆根管充填
7.縫合
アシスタントとして気をつけることは、逆根管充填を行うときに血液が付着しないように吸引することです。
ご参考までにどうぞ。
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「鳥インフルエンザ」とは、トリに対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスのヒトへの感染症です。人におけるほとんどの感染者は、 感染した家きんやその排泄物、死体、臓器などに濃厚な接触があるといわれています。国内で発症した人はまだ確認されていません。感染症法では、A(H5N1)及びA(H7N9)の「鳥インフルエンザ」は 2 類感染症に位置付けられていて、それ以外の亜型の鳥インフルエンザは 4 類感染症に位置づけられています。
「鳥インフルエンザ」の原因となるA型インフルエンザウイルスの自然宿主は野生の水きん(カモ)類です。この野生のカモ由来のウイルスが家きんの間で感染を繰り返すうちに、鶏に対して高い病原性を示すウイルスに変異した場合に「高病原性」という表現をします。
通常、ヒトに感染することはありません。しかし、感染したトリに触れる等濃厚接触をした場合など、きわめて稀に鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染することがあります。報告されている患者のほとんどが、家きんやその排泄物、死体、臓器などに濃厚な接触があったとされています。 また、ヒトからヒトに感染するのはきわめて稀であり、感染の事例は、患者の介護等のため長時間にわたって患者と濃厚な接触のあった家族等の範囲に限られているとのことです。
これまで、鶏肉や鶏卵を食べることによってヒトに感染したという事例の報告はありません。また、WHO(世界保健機関)は、鶏などの家きん類にA(H5N1)の高病原性鳥インフルエンザが集団発生している地域(東南アジア等)では、家きん類の肉及び家きん類由来製品について、食中毒予防の観点からも十分な加熱調理(全ての部分が70℃に達すること)及び適切な取扱いを行うことが必要であるとしていますので、鶏肉は十分加熱して食べてください。また、鶏肉を未加熱又は加熱不十分なままで食べることは、食中毒予防の観点からも推奨できません。
ヒトが感染した場合、抗インフルエンザウイルス薬である「ノイラミニダーゼ阻害剤」による早期治療により効果が期待できると考えられています。また、発症からオセルタミビルの投与までの期間により致死率が上昇するとの報告もあり、疑い例には可能な限り早期に(理想的には48時間以内)投与することが推奨されています。また、WHOは症例によって特に肺炎例や進行例には倍量投与、投与期間の延長、(ウイルスに感受性のある場合には)アマンタジンやリマンタジンとの併用についても考慮すべしとしています。また、経静脈投与が可能な抗インフルエンザウイルス薬として、「ペラミビル」が国内で利用可能となっています。まだ臨床的な知見が十分に集積されているほどではありませんが、WHOは動物実験の結果からザナミビルの静注とともに、オセルタミビルの代替治療オプションのひとつとして挙げているそうです。
これまで感染したヒトは、そのほとんどが病鳥・死鳥、それらの体液や排泄物・羽毛との濃厚な接触により感染しています。鳥インフルエンザの流行が鳥の間で起こっている国や地域に出かけなければならない時には、生きた鳥を扱っている市場に立ち入ることや、集団発生が見られている鶏舎などへの出入りは避けて下さい。どうしてもそういったところに出入りしなければならないときには、感染対策として手袋・医療用マスク・ガウン・ゴーグルなどを着用し、手指消毒をきちんと行うことが重要です。
]]>院長は「顕微鏡診療とは全てを録画して初めて顕微鏡で治療していると言える」「録画記録を第三者にもいつでも開示できなければ顕微鏡治療とは言えない」と考えています。
そこで歯科衛生士の皆様は必見です。
イリタニオフィスの顕微鏡だけで歯科衛生士診療を行うnaomiさんが
2011年に発表されたプレゼンです。
なぜ拡大鏡を用いず顕微鏡だけで診療しなければならないのか、出来るのかをご覧ください。
]]>
(政府広報オンラインより引用)
歯科領域における抗菌薬使用の課題として、医科と比較して広域スペクトラムの抗菌薬の使用が多く、狭域スペクトラムの抗菌薬の使用が少ないことが問題となっています。特にセファロスポリン系の使用が多く、2020年時点でも約5割を占めていたそうです。
歯科領域では、「第三世代セフェム系抗菌薬」の使用量が最も多いことが報告されています。
しかしながら、第三世代セフェム系抗菌薬は
・生体内利用率が著しく低い(ほとんど吸収されない)
・低血糖等を起こすことがある
・偽膜性腸炎のリスク
・耐性菌を誘導する可能性がある
の観点から、歯科領域での使用は推奨されていません。
口腔内細菌は、主に口腔の細菌は、グラム陽性・レンサ球菌であることから、「ペニシリン系抗菌薬」が第一選択となっています。
海外では、ほとんど使用されていない経口第三世代セフェム系が国内で多く利用されている理由として、1980年〜1990年前半に開発されたセフェム系抗菌薬の約7割が日本企業により製造されたものであったこと。また、歯科領域では感染症が発生していない状態で抗菌薬を処方し、第三世代セフェム系の効果に気が付きにくいことが考えられています。
抗菌薬を適切に使用するためには、抗菌薬の特性を理解しておくことが重要です。ご参考までにどうぞ。
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先日、歯科衛生士が歯科用顕微鏡でメンテナンスを行う様子を撮影していただきました♪
当院では、歯科衛生士も全ての処置を顕微鏡下で行い、処置後、録画した映像を患者さんと一緒に見ながら、お口の中の状況をご説明しています。
肉眼では見えないような、歯と歯の間の虫歯や、狭い歯周ポケットの中の歯垢や歯石を確認することができます。虫歯や歯周病は早期発見・早期治療が大切です。しかし、顕微鏡下だと早期発見すぎて、虫歯の治療をするベストなタイミングは、もう少し先かな〜ということもあります。今お口の中で何が起こっているのか、自分の歯の現状を把握しておくことが大切です。
皆さんも自分のお口の中を顕微鏡で見てみませんか?
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(東京都 世界結核デー記念「結核クイズと解説」から引用)
毎年3月24日は「世界結核デー」です。
ドイツのロベルト・コッホ先生が結核菌の発見を発表した日にちなみ、WHO(世界保険機構)が「世界結核デー」と制定しました。
明治5年生まれの樋口一葉は結核が原因で、24歳の時肺結核で亡くなりました。昭和20年代まで、結核は日本人の死亡原因の第1位でした。「不治の病」「亡国の病」などと呼ばれていました。
2020年は、全国の患者数は約12000人、東京都の患者数は約1500人となっています。1日に40人の新しい患者が発生し、6人が亡くなっている重大な感染症です。
世界三大感染症をご存知ですか。
「結核」「HIV/エイズ」「マラリア」です。この感染症の中で、推定死亡者数が一番多いのは、「結核」の約150万人です。世界の結核患者の90%が途上国の生まれだと言われています。
2020年の世界の結核罹患率は、10万人あたり、アメリカでは2.0、オーストラリア、イギリスは7.0、 日本は10.1と結核低まんえん国になるまで、あと少しとなっています。ベトナム、インドネシア、ミャンマー、ネパール、フィリピンなどは、結核の罹患率が非常に高くなっています。
2020年の全国の罹患率を見ると、約6割が70歳以上となっています。死亡者数は、60歳以下では非常に少なく、70代以降になる死亡者数が増えます。
結核に感染した場合の発症率は、約10%です。多くの場合は免疫力で結核菌の増殖が抑えれられ、休眠状態になります。感染してもすぐには発症せず。数ヶ月から、数十年後に発症します。
健康診断のレントゲン検査で、結核と診断された場合は治療に6ヶ月かかります。WHOが全ての国で勧めている治療法が、結核の標準治療となっています。1日1回4種類の薬を2ヶ月服用し、その後、2〜3種類を4ヶ月服用します。
結核の初期症状は、風邪をよく似ています。2週間以上風邪の症状(咳、たん、息苦しさ、胸の痛み、微熱、だるい、痩せる、食欲がない)がなくならない場合は結核の検査をすることをお勧めします。
結核は早期発見・早期治療が重要です。
・胸のレントゲン検査を定期的に受ける
・咳が続くときは、たんの検査をする
・感染しているかどうかは血液検査を行う
・風邪のような症状が2週間以上続くときは周囲に感染を広めないように、早めに病院に行って、検査を受ける
結核の予防方法
・生後5〜8ヶ月でBCG接種をして免疫を獲得する
・定期的な検査を受ける
・健康的な生活
・タバコを吸わない
ご参考までにどうぞ。
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感染症の流行は、災害によって病原因子、宿主因子、環境因子などのリスクが増加しさまざまな条件が満たされたときに起こると考えられています。
災害直後の傷害や死亡は外傷や溺水など、災害そのものの衝撃に関連しているとされています。そして急性期以降は衛生状態の悪化や栄養不足、体力・免疫力の低下などにより被災者の密集した避難所内での感染症の流行が危惧されます。発災からの時間経過によって流行が予測される感染症は変化します。
災害発生後、約1週間以内の急性期には「破傷風」や「ガス壊疽」といった外傷に伴う感染症のリスクが高まります。
災害発生後、1〜3週間の亜急性期には、劣悪な衛生環境や人口の密集など避難所内での感染症流行のリスクが高まります。過去の災害で実際に感染症が大流行したケースは少ないですが、麻疹やインフルエンザなどの呼吸器感染症や、ノロウイルスやコレラなどの急性胃腸炎に対しては、避難所における感染予防対策が重要です。
災害時に流行が予想される感染症のなかにはワクチンによる予防が有効なものがあります。特に破傷風や麻疹など重症化する恐れのある感染症については、日頃から積極的にワクチン接種しておくべきです。CDCが発表している災害時に推奨される予防接種のなかでは、予防接種歴不明の場合は小児のみならず成人に対しても DT(ジフテリア・破傷風混合) 接種が勧められています。また、全年齢を通してインフルエンザワクチンが推奨されています。10歳以下ではさらに麻疹風疹混合、ムンプス、水痘、ポリオ、ヒブ、 肺炎球菌、HAV、HBV、ロタウイルスといったワクチンも接種が推奨されています。
日本で接種可能なワクチンの種類 2022年9月現在(国立感染研究所より引用)
いざというときに何をするべきか、何ができるかを日頃から考え備えておく必要があります。そして医療者も、ワクチン接種の奨励や衛生管理の指導などを通して社会に貢献する必要があります。
大規模災害においては、通常の保健衛生・医療システムは崩壊し、さまざまな因子によって感染症のリスクが高まります。そのリスクを軽減するため、予防接種をするなど日頃からの備えが重要です。
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麻疹は麻しんウイルスによる感染症です。細菌には抗菌薬が効きますが、ウイルスには効きません。インフルエンザウイルスのような抗インフルエンザウイルス薬は麻しんウイルスにはありません。麻しんは予防が最も大切な病気です。
麻疹の感染力は強いです。同じ部屋に数分一緒にいるだけで感染してしまうといわれています。かつ、感染すると重症です。免疫を持っていない人が麻しんウイルスに感染すると90%以上が麻しんを発症します。ワクチンがない時代は麻しんは「命さだめの病」と恐れられていました。
麻しんの合併症・致死率
合併症の頻度:約30%、5歳未満と20歳以上で高い
(肺炎、急性脳炎、下痢、中耳炎、痙攣、亜急性硬化性全脳炎)
麻しんによる致死率:約0.2% 途上国では、1〜5%(25%に達する場合もある)
(肺炎と脳炎は麻しんによる二大死因、小児は肺炎、成人は急性脳炎が多い)
1980年代は年間100人近くが麻しんで亡くなっていました。
成人してから麻しんに感染すると重症になることが多く、妊娠中に感染すると流産・早産になることがあります。
麻しんの予防方法
麻しんウイルスあるいは、麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)を1歳以上で2回うけることです。
また、免疫の人が麻しん患者さんと接触後、3日以内にワクチンを受ければ、発症を予防できる可能性があります。3日過ぎてしまった場合は、6日以内に免疫グロブリン(血液製剤、疼痛あり)の注射を接種することで発症を予防できる可能性があります。麻しんを発症してしまうと、特異的な治療法はなく、対症療法のみとなります。
麻しん風しんワクチンを1歳のお誕生日のプレゼントに。そして小学校入学準備に2回目の麻しん風しんワクチンをしましょう。
現在、50歳以上の方は1回も定期接種の機会がありません。32歳から50歳以下の方は1回定期接種の機会がありました。32歳以下の方は、2回定期接種の機会がありました。1回の定期接種の方は抗体を持っているか検査をして、抗体がない場合は、ワクチンの追加接種を行うことが推奨されます。医療従事者は麻しんの抗体を調べ持っていない場合はワクチン接種を行い、業務に当たっています。ワクチン接種は医療安全の中でも重要です。
ご参考までにどうぞ。
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私は7年前に歯科衛生士国家試験を受けました。当時のことは、目まぐるしくほとんど覚えておりません。しかし、記憶がなくなる程努力した経験はあの時が最後です。今となっては良い思い出です。
今自分ができることを精一杯頑張れる、それが人生のモットーだと思っています。
これからの人生も今の努力を忘れず、共に歯科衛生士として生きていきましょう!
「アフリカ豚熱」(ASF)とはどんな病気なのでしょうか?
強い感染力と高い致死率を特徴とした「豚」や「いのしし」などのイノシシ科動物が感染するウイルス性疾患です。症状として、41°C以上の高熱と出血性病変が特徴です。
感染経路は、代表的な例として、豚やいのししがASFウイルスに汚染された餌を食べて感染することが挙げられます。この場合、ウイルスに汚染された精肉や非加熱の豚肉製品が重要な感染源となります。また、感染した豚やいのししとの接触により、豚の口や鼻などからウイルスが侵入することもあります。体表の傷などから血液媒介感染することもあります。
ASFウイルスは人には感染しません。過去に日本で発生したことはありません。
今後、国内で発生する原因として考えられることは、海外旅行のお土産として発生国からウイルスに汚染された豚肉や豚肉加工品を無許可で持ち込む場合などが考えられます。また、発生国の農場や山野を訪れた際に身に付けていた靴、衣服や器材にウイルスが付着したまま国内に持ち込んでしまう場合です。このようにして持ち込まれたウイルスが何らかの機会に養豚場に侵入して豚に感染することが懸念されます。
近年、ASFが流行している国々では、感染拡大に「野生のいのしし」が関与していると考えられています。日本国内の野生のいのししにウイルスが浸潤した場合も同様で、感染したいのししによりウイルスが拡散する可能性があります。ウイルスが野生動物に感染すると病気の根絶は非常に困難になると考えられます。
ご参考までにどうぞ。
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