「新型インフルエンザウイルス感染症」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2020.04.22 Wednesday
  • 17:50

インフルエンザは急激な発熱で発病し、咽頭痛や咳などの呼吸器症状と筋肉痛や倦怠感などの全身症状を呈し、冬季に流行する呼吸器感染症です。潜伏期は通常1〜3日です。ウイルスは感染患者の鼻咽頭より排出され、感染様式は飛沫感染です。手や病院環境を介する接触感染がどの程度寄与しているかは明らかではありません。ウイルスの排出期間は症状が出現する前から発症後7日程度ですが、最も感染力の強い期間は発症初期の3日間です。

ウイルスの感染力は非常に高く、しばしば病院内で大流行が起こります。つまり院内にウイルスを持ち込まれないようにすることが感染対策の基本です。地域での流行状況を把握し流行期には患者の外泊・外出を控え面会者も制限する必要があります。

インフルエンザの最も有効な予防対策はワクチン接種です。特にハイリスク患者および医療従事者には接種が勧められています。また、インフルエンザ患者に曝露した可能性のある患者や医療従事者に対しては、抗インフルエンザ薬を予防投与することによって、発症予防や、発症した場合の症状の軽減と持続時間の短縮が期待できます。その場合の適応は、ハイリスク患者、ワクチン接種禁忌患者、ワクチン接種のタイミングが遅れた者、ワクチン接種による抗体価の上昇が期待できない者などです。

 

ハイリスク接触群

1病院、外来、在宅診療施設に勤務する医師、看護師およびその他の医療従事者

2慢性疾患治療施設に収容する患者、居住者と接触する従業員

3ハイリスク群の患者家族(小児も含めて)

 

新型インフルエンザは鳥や豚などの間で流行している種固有のインフルエンザが、ヒトの間で流行する能力を獲得し、流行し始めたものをいいます。近年では2009年にブタインフルエンザがヒトの間で流行しました。現在ヒトの間で流行しているA香港型も1968年に新型インフルエンザとして初めて流行し、その後ヒト社会に定着したものです。

今後どのような新型インフルエンザが発生するのか予測は困難ですが、その候補として重要視されているのが、高原病性鳥インフルエンザです。A/H5N1の鳥における集団発生はほぼ常に世界中のどこかで起こっており、インドネシアなどでは風土病となりつつあります。そしてA/H5N1に感染した鳥からヒトへの感染は散発的に発生しています。数年間で500人以上の感染報告があります。またその致死率は約50%と高く報告のバイアスを考えても相当高い致死率を持つ疾患であると考えられています。

一方、A/H7N9は2013年に中国で感染者が出現しました。感染者の致死率は36%に達し、A/H5N1と同様に相当高い致死率を持つ疾患えあると考えられます。2013年6月には流行は一旦終息しました。A/H7N9は鳥に対しては低病原性で感染鳥の発見が困難でありmす。

 

今後、新型インフルエンザげの進展の危険性などを考えると患者から医療従事者への感染の可能性は極力排除すべきです。さらにA/H5N1、A/H7N9の感染経路は現時点で不明です。季節性インフルエンザと同様かわかりません。したがって、接触、飛沫、空気感染のすべての可能性を念頭に置いて経路別予防策を実施するのが現実的です。

 

新型コロナウイルスで世界中が未曾有の事態を迎えました。そして今後新型インフルエンザが流行する可能性も考えられます。私たち一人一人が自分や周りの人、医療従事者を守る行動を心がけましょう。

 

 

「結核症とは」 東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2020.04.15 Wednesday
  • 20:27

1950年以降減少を続けてきた日本の結核罹患率は1997年、1998年と2年連続して増加しました。1999年に当時の厚生省から「結核緊急事態宣言」が出され、結核への注意喚起と対策強化がなされました。それ以降再び結核罹患率は減少し2009年の結核罹患率は10万人対19.0となっています。昭和20〜30年代は結核罹患率が高い時代で結核患者が身近にたくさんいる偏在状態でした。現在は結核患者数が減少したものの、結核罹患率の高い集団とそうでない集団が混在している不安定な社会といえます。

医療機関はそれが集約されたコミニティーです。高齢者や結核を発症しやすい基礎疾患を有する患者は結核罹患率の高い集団です。この状況下で結核患者が存在すれば感染拡大が起こりやすいことは容易に想像できます。

1998〜2008年の11年間に610件の集団感染事例があり、18%は医療機関で発生しています。また、女性看護師の結核罹患率が同年代の女性の4倍であると報告があります。

 

結核症の診断は起因菌を検出し、その細菌学的な同定により診断が確定します。迅速な起因菌の決定のために従来から検体の塗抹・培養・同定検査に加え最近では遺伝子検査が応用されています。また、治療薬の選択のために薬剤耐性検査が行われます。

 

結核は空気感染により伝播する伝染性疾患です。空気感染とは、微生物を含む直径1〜5μmの飛沫核が長時間空中を浮遊し空気の流れによって広範囲に伝播される感染様式をいいます。感染予防策には空気予防策が適用されます。

 

結核患者の感染性が強いと考えられるのは、結核菌を含んだ飛沫が大量に発生する場合です。

1 肺結核、気管支結核、咽頭結核あるいは喉頭結核など患者から飛沫が発生する病態

2 激しい咳嗽(がいそう)や咳を誘発する手技

3 肺に空洞病変を有する場合

4 喀痰塗抹検査で陽性の場合

 

医療現場では排菌量の多さを示す指標として喀痰の塗抹検査が用いられており、陽性であれば排菌量が多いと考え空気予防策を適用します。発見が遅れ咳が長期持続していた場合は感染拡大している可能性が高いです。咽頭結核以外の肺外結核は通常飛沫しないため空気予防策を必要としません。

 

結核患者の病室管理は、原則的に個室隔離とします。特に肺結核患者で塗抹陽性の排菌期間中は厳重に行います。また感染性の結核が疑われる入院患者は結核が否定されるまで個室隔離が望ましいです。ただし疑いの段階では結核患者と同室にしてはいけません。

 

空気予防策には空調設備の完備は不可欠です。患者を管理する病室は周辺室より陰圧とし、すべての供給空気を新鮮外気とする全外気方式を採用することが望ましいです。室内空気は1時間に6〜12回入れ替わることが必要です。また、循環式空調の場合にはダクトの回路内にHEPAフィルタを設置し、フィルタ通過後の循環空気の10%を排気すれば室内は常に陰圧に制御されることになります。空気予防策を効果的に実行するためには全室があり、トイレ、シャワー、および洗面台付きの陰圧空調個室が理想的です。

空調システムが利用できない場合は、ドアを閉め、ポータブルのHEPAフィルタ内蔵空気清浄機の利用も考慮します。

 

結核は空気感染を起こす感染症であり患者の病室からの外出は必要最低限にとどめます。咳をするときはマスクを押さえ、できる限り飛沫を発生させない努力をするなど、空気予防策の患者教育も必要です。飛沫核粒子に乗った結核菌を防御するにはタイプN95微粒子用マスクが必要です。患者から排出される感染性飛沫を予防するためにはサージカルマスクを提供します。

 

隔離の解除については、一般的に患者の感染性が消退するまでの期間は決めることができません。

1 適切な抗結核薬療法が2週間以上実施されていること

2 咳や発熱などの症状の改善

3 胸部X線の改善

4 3日連続で喀痰塗抹検査陰性

 

以上を隔離解除判断の目安とします。

 

ご参考までにどうぞ。

「医療従事者のワクチン接種 麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺炎」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU 

  • 2020.03.15 Sunday
  • 13:03

 

「医療従事者のためのワクチンガイドライン」

医療関係者が麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘を発症すると本人の重症化の可能性に加えて周りの患者や医療関係者への感染源となることから迅速な対応が求められます。麻疹と水痘の感染経路は空気感染・飛沫感染・ 接触感染です。風疹と流行性耳下腺炎の感染経路は飛沫感染・接触感染であることからワクチン接種の対象は医療関係者だけでなく、非医療職を含めて医療機関で実習、ボランティア活動、勤務を行う全員とします。救急隊員、処方箋薬局に勤務するものも含まれます。

 

麻疹と水痘はウイルスに曝露後 72 時間以内に緊急ワクチン接種をすることで、発症を予防できる可能性があるます。風疹と流行性耳下腺炎については緊急ワクチン接種の有効性に関するエビ デンスはありません。しかし曝露した感受性者にワクチン接種が行われることにより、今回の曝露で感受性者が発症しなかった場合でも永続的な免疫を付与されることになるとの考えからアメリカではワクチン接種が勧められています。

 

いずれのワクチンも1 回接種で90 %以上の免疫獲得が期待されます。数%の1次性ワクチン不全があることや、ワクチン接種後の年数経過と共に免疫が減衰し発症する2次性ワクチン不全があることから、2006年度より麻疹と風疹について、1 歳児と小学校入学前 1 年間の幼児に対して予防接種法に基づく 2 回接種が導入されました。また2007〜2008年に10〜20代を中心とした麻疹の全国流行があったことから 2008年度から5 年間の時限措置として、中1と高3相当年齢の者に対して予防接種法に基づいて2回目の定期接種の機会が導入された。以上の対策により1990年4月 日以降に生まれた者については麻疹と風疹の2回の接種機会があったことになります。

 

 

 麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺炎ワクチン接種のフローチャート

(医療関係者のためのワクチンガイドライン第2版より引用)

 

1歳以上で「2回」の予防接種の記録を勤務、実習前の医療機関に提出することが原則です。予防接種の記録が1歳以上で「1回」のみの者は、1回目の接種から少なくとも4週間以上あけて2回目の予防接種を受け、「2回」の記録を勤務、実習前に医療機関に提出することを原則とします。既罹患で予防接種を受けていない者は、勤務、実習前に抗体陽性の検査結果を提出することを原則とします。いずれにも該当しない者は少なくとも4週間以上あけて「2回」の予防接種を受け、その記録を勤務、実習前に医療機関に提出することを原則とします。

勤務、実習中は「予防接種、罹患、抗体価」の記録を本人と医療機関で年数に関わらず保管します。

 

注意点

・1歳以上で2回の接種を確認する(生年月日と接種年月日)

・0歳での接種は回数に含めない

・麻疹またはMMRと記載されているワクチンはロット番号で確認する必要がある

・既罹患なら抗体価は高い

・低い抗体価であった場合は罹患は重い間違いでワクチンを接種したのを忘れている可能性が考えられる

 

 

ご参考までにどうぞ。

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