高齢者の便秘へのアプローチ 東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2017.09.03 Sunday
  • 16:51

高齢者にとって便秘は非常に頻度の高い健康問題です。外来、病棟、訪問診療や特別養護老人ホームでも、減薬を繰り返しても下剤だけは内服し続けている高齢者は多いようです。

 

〜高齢者の機能性便秘の病態•背景〜

 

1)加齢による生理機能の低下

高齢者は2つの病態によって機能性便秘を生じます。

 

第一に高齢者になると腸管筋層間神経叢ニューロン数が減少し反応性も低下します。その結果、腸管運動機能が低下し蠕動運動も衰え、結腸の痙攣性収縮により直腸への糞便輸送障害が生じて兎糞状の便となります。さらに腸液分泌低下も相まって硬便傾向となり、腸管ガスの吸収機能低下も生じて腸管内腔拡張が生じます。つまり、消化管の運動機能の低下により腸内容物が停滞して腸管全体の動きが悪くなることで生じている機能性便秘でありこれは食事摂取量の低下、長期臥床で助長されます。

 

第二に高齢者では排便機能の低下も生じ便秘となります。排便時に生じる「直腸内の便が腸管壁を伸展し、直腸筋の収縮と内肛門括約筋の弛緩が起こり、随意的に外肛門括約筋が弛緩して肛門挙筋が収縮する」という肛門周囲の筋肉の一連の動きは加齢により障害されるため便秘がおこります。つまり高齢者では直腸に便が到達したにも関わらず、腹圧をかけても排便が起こりにくく、排便反射が起こらないことでより便秘が生じ残便感が強くなります。

 

2)高齢者の生活習慣•環境変化と便秘

高齢になると、一般的に便秘に有用といわれる食物繊維、水分の摂取が不十分になる可能性があります。高齢者では全身運動や散歩が困難になることもめずらしくないので、それも便秘を助長させる可能性があります。高齢者において留意する点は、環境変化も便秘の原因になりうることです。例えばショートステイの利用などでしばしば便秘になることがあります。些細なことでも高齢者の精神面には予想以上の影響を与え、交感神経の緊張により腸蠕動が低下して便秘傾向になりうることもあります。

 

〜高齢者の基礎疾患•薬剤と便秘〜

 

1)高齢者の基礎疾患と便秘

高齢者では併存疾患が多く、糖尿病、甲状腺機能低下症、高カルシウム血症、脳血管障害、パーキンソン病、うつ病など腸管運動機能低下をきたす疾患が複数あることがあり、より便秘をきたす可能性があります。大腸がんは増加しており、その初発症状として便秘が生じていることも知っておかなければなりません。

 

2)認知症と便秘

認知症では全般に便秘をきたしやすいといえますが、特にレビー小体型認知症は自律神経障害によって腸管蠕動運動が低下するため便秘を生じます。また、血管性認知症で運動機能障害を伴えば、排便行為自体に限界が生じて便秘となる可能性があります。また、認知症の患者さんでは便秘を自覚しがたい場合や症状として訴えられない場合も少なくありません。そして、便秘の不快感が原因となり、行動心理症状、せん妄、食欲低下へつながる可能性があります。

 

3)薬剤性便秘

便秘の原因として薬剤性便秘があります。

FullSizeRender-22.jpg

 

〜患者さん本人・介護者への具体的な指導〜

 

1)食事内容と水分

食物繊維や水分の摂取、乳酸菌含有食品など

 

2)運動

全身運動は全身の筋肉維持や、リラックス効果が期待できるため便通改善の大切な要素です。散歩、体操、腹圧を高めるために腹筋運動や骨盤底筋体操、腹式呼吸は便排出力の改善につながります。

 

3)使用するトイレ

洋式•和式の長所、ポータブルトイレ、尊厳を維持

 

4)認知機能低下時残存能力

トイレット行為(便器の開け閉め、着脱行為、ペーパーの使い方、手洗いなど)のサポート、プライバシーや自尊心への配慮、理由の明確でないオムツ使用を防ぐ

 

5)トイレ誘導•リラクゼーション

トイレタイムの確保、トイレの場所の表示、マッサージ、腹部を温めるなど

 

〜高齢者における便秘の薬物療法〜

 

1)浸透圧性下剤

酸化マグネシウム(マグミット)は高齢者に多い弛緩性便秘には有効で頻繁に使用されています。便中水分を増量し、腸管を刺激し排便を促します。高マグネシウム血症予防のため、定期的に血清マグネシウム値を測定します。

 

2)刺激性下剤

刺激性下剤にはセンナ、センナシド(プルゼニド)、ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)、ダイオウなどがあります。

 

3)坐剤

坐剤は経口摂取困難な方も使用可能で、即効性があります。痔核がなければほぼ使用可能です。炭酸ガスの刺激により直腸が膨らみ便意誘発を図ります。

 

4)漢方薬

水分不足を防ぎ、コロコロした便を有形便とすることが期待できます。

 

5)浣腸

浣腸を使用すると、排便反射の反応性の低下、直腸粘膜機能が鈍麻につながることがあるため乱用しないように気をつけます。

 

ご参考までにどうぞ ^ ^

 

「脳の局所症状」スライド 東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2017.08.20 Sunday
  • 00:09

スクリーンショット 2017-08-19 00.03.27.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.03.49.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.04.00.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.04.14.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.04.24.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.04.33.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.04.44.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.04.55.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.05.06.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.05.15.pngスクリーンショット 2017-08-19 00.05.30.png

ご参考までにどうぞ

「脳神経疾患 脳の局所症状」東京顕微鏡歯科診療専門歯科衛生士YU

  • 2017.08.15 Tuesday
  • 14:15

1)悪心•嘔吐

悪心•嘔吐は延髄にある嘔吐中枢の刺激によって起こります。嘔吐中枢は迷走神経と交感神経を主としたさまざまな求心路(内臓、咽喉頭、前庭神経、視神経)によって刺激されます。いずれも嘔吐の前には悪心がありますが、頭蓋内圧亢進時など、直接嘔吐中枢が刺激される場合には悪心がありません。脳神経疾患によって嘔吐が出現する原因は、おもに1頭蓋内圧亢進、2髄膜刺激症状、3小脳出血や小脳梗塞などの小脳病変による症状です。脳神経疾患患者の嘔吐では、脳神経疾患による症状ではないかと疑いを持ち、意識レベルは低下してないかなどの患者の神経症状を観察します。

 

2)振戦

一定のリズムで「身体が勝手に動く」ことを振戦と表現します。主動筋と拮抗筋が交互に反復して、規律的•律動的に収縮します。

1静止時振戦:パーキンソン病で良くみられます。静止しているときに見られ、動作により軽減します。

2姿勢時振戦:重力に逆らって一定の肢位を保つときに出現し、安静時には出現しません。徐々に発現するものは生理的、または原因不明な本態性振戦の可能性があり、急に発現するものは中毒性、または代謝性の障害やストレスの可能性があります。

3企図振戦:患者の意思による動作によって生じる振戦で、目標物に向かうにつれて振幅が大きくなります。目標物に達した後もその姿勢を保つと振戦が持続します。原因は小脳障害による協調運動障害であると考えられています。

 

3)頭痛

頭痛はさまざまな原因によって起こりますが、次のような見逃してはならない頭蓋内疾患をまず念頭に置きます。

1くも膜下出血:何時何分何秒とわかるほどの突然発症で、今まで経験したことのないような激しい頭痛、バットで殴られたような頭痛を訴えた場合に疑います。

2中枢神経感染症:前頭部、あるいは眼球後部の痛みとして自覚されることが多く、発熱、嘔吐などの全身症状を伴うときに疑います。

3脳ヘルニアを伴う頭蓋内占拠性病変:進行する神経症状を伴っている頭痛で疑います。脳腫瘍などによる慢性的な頭蓋内圧亢進の場合は朝方に頭痛を訴えます。そのほか、4急性緑内障発作、5頸動脈または椎骨動脈解離、低髄圧症、特発性頭蓋内圧亢進症、水頭症、脳血管障害、下垂体卒中、側頭動脈炎などが原因となります。

 

4)めまい

身体の平衡障害に対する自覚的訴えで、めまいの症状はおもに3つに分かれ、

1回転感、2動揺感、浮遊感、3頭から血が引く、気が遠くなる感じ、と表現されます。

聴力低下•耳鳴や耳閉感がある回転性めまいは耳鼻科疾患、急性発症で頭痛、後頚部痛、構音障害、嚥下障害、顔面や四肢の運動、感覚障害などの随伴症状がある場合は中枢神経疾患を疑います。血圧が極端に高い場合は緊急性、重症度が高いことが考えられます。中枢神経疾患では小脳出血、小脳梗塞、脳幹梗塞が隠れていることがあり、この診断が大切です。

 

5)せん妄

意識内容が変化し、注意力の低下、見当意識障害など認知の変化が短期間でみられる状態のことです。多くは落ち着きがなくなり興奮し、幻覚や錯覚がみられ、言葉のつじつまが合わなくなります。とくに夜間に起こることが多く、夜間せん妄とよばれ高齢者に起こりやすいといわれています。認知症とは違います。

1せん妄:発症は急激、夜間や夕刻に悪化、数時間から1週間、環境が関与することが多い。

2認知症:発症は緩徐、日内変動は乏しい、永続的、環境は関与しないことが多い。

環境を整えても改善がなく、治療に支障をきたし危険なときは、非定型抗精神病薬などの薬物療法を行いますが、これにより日中の覚醒度が低下し、かえって症状が悪化することもあり、注意が必要です。

 

6)四肢麻痺

手足を動かす錐体路は、左右別ルートになっています。通常、大脳の障害による四肢麻痺は両側同時に障害が発生します。左右の錐体路が近くを走行している脳幹部や脊髄が障害されると四肢麻痺を生じる可能性があります。四肢麻痺に意識障害が合併している場合は脳幹部の病変が疑われます。意識障害がない場合は脊髄損傷が疑われます。自立神経障害による徐脈、低血圧、腸閉塞、胃十二指腸潰瘍、排尿障害に対する管理が必要となります。

 

7)片麻痺

片側の上下肢の運動麻痺のことをいいます。運動野から脊髄までの皮質脊髄路の障害が原因となります。皮質脊髄路は大脳中心前回の運動野から放線冠を通り、脊髄までの経路をいいます。大脳中心前回の運動野では、上肢と下肢の支配領域が離れているため、病変が小さい場合は上肢、または下肢のみの麻痺が出現します。

錐体路は延髄で左右が交叉するため、延髄より中枢側での障害では反対側の片麻痺が出現します。

 

8)対麻痺

両下肢の運動麻痺がある状態のことです。胸髄以下の脊髄損傷で生じます。両側の錐体外路障害が起こった場合に生じるため、急性期は弛緩性麻痺、深部反射低下を認めますが、数時間〜数日の間で痙性麻痺、腱反射亢進を認めます。両側の感覚障害や膀胱•直腸障害を伴います。

 

ご参考までにどうぞ

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>

【Advanced Care Dental Office】

東京超高画質マイクロCTスキャン顕微鏡歯科治療専門 初診受付03-5638-7438 月曜~金曜9:00am~4:30pm (不定休)1日数名限定・完全予約制・全個室。同時並列診療なし。歯周病治療・根管治療・虫歯治療すべて顕微鏡歯科治療、ラバーダム防湿法。

顕微鏡専門歯科衛生士

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM